物欲というものを亡くす


「欲の消滅は生命力の枯渇だ。」そう思って20代を生きてきた。
なので、あえてタイトルは「亡」の字を使わせていただいた。

最近の私はめっきり「物欲」が亡くなった。
どういうことかというと、あと3か月ばかりはぎりぎり20代なわけだが、その3か月を前に、私の中の「あ、コレカワイイー!買っちゃおう♪」というウィンドウショッピング中の購買欲が異常に減退しつつある。

衝動買いが減った原因は3つあると分析した。

まず一つ目。
コロナ禍において外を出歩かなくなったので、私は大半の買い物についてネット通販に切り替えた。ネット通販だと、似たような商品が似たような価格帯で大量にある。端的に言うと、ウィンドウショッピングで感じていた「希少性」を感じなくなったのだ。
入口に飾られたトルソーに惹かれ足を止め、「いまこの商品と目が合ったの!このワンピ、私に買ってほしいって言ってる!!」といった、ここで買わなかったらもう出会えない一期一会の精神が亡くなった。ネット通販には夏だろうが真冬のダウンが売っているし、関東だろうが北海道の名産品がお取り寄せできる。利便性によって「いま買わなきゃ」という焦りが失われた。

二つ目に、そもそもコロナ禍なのでプライベートの余暇が「家で過ごす」こととなり、外食費、ブランド品、コスメ、洋服などの華やかな消耗品に費やす「必要性」が無くなった。
私が最後に友人に会ったのは6月である。その前は4月だった。
会社の男どもに見せるためだけに新しい服をこしらえる必要もなければ、どうせマスクで隠れるのに新作コスメを買う必要もない。これまではテンションを上げるために買っていた商品が、「見せることができないつらさ」をより一層際立たせるテンサゲアイテムに成り下がってしまったのだ。
ちなみに、メイクや服装に気合を入れるのは、圧倒的に同年代女子会の時だよ!!

三つ目。
最後の理由はコロナ禍に関係あるものではない。
アラサー女性は「飽きた」のだ。
つまり20代のときに散々、「コレカワイイ~!!」をやってきたがゆえに、華やかに打ち出された新商品!の文字を見ても、期間限定!の文字を見ても、いまさら感動しなくなったのだと思う。30代女性にとって、もう世の中にあるおいしいと言われる食べ物も、キラキラしたアクセサリーも、定番のデートスポットも、20代のうちにほとんどを通過してきてしまった。金を払う前に「昔コレと似たようなもの、あった気がする」と思ってしまうのではなかろうか。目も肥えてきている。これは本当に残酷な話だが。


以上が、圧倒的に購買欲が減退した30代(3か月前)の自己分析結果である。

自慢じゃないが、直近1か月の高い買い物ベスト3を教えよう。

「家賃」「車検代」「医療費」である。

30代になるにあたり、決意した。無用なものを増やすより、本当に吟味した高級な長く使えるものを買うことにしよう、と。
ホラ、時代は今サステナブルだし。

ちなみにその逆を行く存在を紹介しておこう。
インスタに蔓延る、100均で買った安っぽいグッズを大量に駆使して収納?することを推奨しているひとたちだ。
あれにだけは絶対になるまいと反面教師にしている。というか、へんなルールを作って細分化することがごみを増やしているようにしか見えず、当人たちの自己満の域を超えているものもあり、本当に「おしゃれな暮らし」だと思ってやっているのかずっと疑ってる。
商品の売れ行きが賞与査定に影響するようなダイソーの営業担当じゃないひとらがやっている。控えめに言って異常者だと思っている。
また、ホームセンターにシコシコ通い、自作のゴミ①、ゴミ②(以下同)をインスタに #DIY  と称して載せるのは、ホントただの公開オナニーだと思っている。


とまぁ話は脱線してしまったが、ここまで衝動買い欲求の減退を説明してきた私だが、
やっとここ最近欲しいと思うものがあった。
iPhone13のキャッチコピー見た?「できること、超人的」
痺れるじゃあないか。

これまでもそうだが世界一斉発売のため「希少性」もあり
スマホは1人1台の時代、「必要性」もある。
動画の画質については、これまで見たことが無い技術力の結集のように思った。

おわかりいただけただろうか。物欲を亡くしたアラサー女子は、先端テクノロジーに心酔したガジェット大好きオジサンに近づくのだ。

「欲の消滅は生命力の枯渇だ。」と思っていた20代の私は終わり、
ここからは30代のキャッチコピーを考えようと思う。

「いち欲の消滅は、新たな自己の振興だ。」

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