日本酒は努力を怠ったのか 「一人負け」の背景探った(朝日新聞デジタル)に思う事③
この記事は、下の記事に基づいて、素人が、業界人の気持ちなんて忖度せずに、日本酒カーストの底辺から、僻みも込めて、率直に思ったことを書いています。
この記事で、興味深く思った事
この記事で、面白いなと思ったのは、大手メーカーの発売した商品が、30代に受けていたり、65歳以上と言われているパック酒市場で、菊正宗の銀パックの購入者の半数が、40代以下だったっていう事。
安酒っていうイメージがあると言いますが、パック酒などのエコノミーなラインの世界は進歩していて、例えば、IWC(インターナショナルワインチャレンジ/イギリス)等の大きなコンクールでも、人気日本酒などと競いながら、優秀な成績を残しているんです。
日本酒という嗜好品
私がFacebookを開くと、
今日は、こんなレアな酒を吞みましたよ
蔵元会に参加しました~♪
というような、きらびやかな世界が広がります。
勿論、地元のお酒をこよなく愛する人もいます。有名酒、レア酒だけが良い酒の定義ではないというのも、みんなわかっています。
そういうのを見ながら、お酒を大量に飲めず、蔵元会に行くわけでもない私は、日本酒カーストの底辺で、よく僻んでいました。
いや、4合瓶で1500円前後の日本酒を毎日開けるだけでも、私としてはかなりの贅沢。それだけ食費に掛けられた、もっと良いもの食べられるし。
だから、体力的には既に衰えていますが、経済的にも余裕がなければ、多分、もっと日本酒は吞まなくなると思います。
日本酒造組合中央会の宇都宮仁理事は「外では1杯700円でも飲んでくれるが、家では飲まれない」と嘆く。
外食を好まれる方にとっては、当たり前の値段だと思うんですが、私にとってその価格(実際には1杯600円前後から、高いと1本の仕入値段分)は、お酒単体以外の価値も含めて鑑みて、納得して払いたい金額なんです。
当たり前じゃなくて、どちらかというと、これならそれだけ払う価値があってこそ、払いたいし、無ければ、払いたいとは思わない金額。
そういう感覚って、多分、私だけじゃないと思います。
でも、一方、酒蔵さんがその分ウハウハっていう訳じゃないらしいんです。
昔、たまたま居酒屋で一緒になった酒屋のバイヤーさんは、過去に「日本酒をもっと儲かる仕事にする。もっと単価を上げていく」って話しておられました。
勿論、それだけの労力やコストがかかっているんだと思うんですが、
そうやって考えると、日本酒は高級品で、お金持ちの飲み物のような気がしてきました。
大手メーカーのお酒について
話は私が言いたいところから少しそれましたが、
そういうお酒たちに比べて、パック酒が上がってくることは少ないんです。
安酒のイメージがあるからですかね?
でも、少ないながらも、飲み比べしたり、注目していた人たちはいたんです。
ちなみに、広島県、呉にある酒蔵、千福の中で、私が一番好きなのは、純米Vパック。他のお酒も美味しいんですが、でも、このお酒が好き。
そもそも、大衆酒っていわれるこのライン。私は凄いと思っているんです。
安いだけじゃ、長く売れ続けることは難しいもの。
つまり、飲んでいる人がいるから売れているという前提があると思います。
トレンドではなく、スタンダードになること
これは、蔵の大小に関わらないんですが、
酒というのは、基本的にその土地の文化や歴史の一部。
なので、杜氏が変わったり、今風のお酒にすれば、全国的に売り上げが伸びるかもしれません。
でも、その一方で、その酒蔵と共に生きてきた土地の人たちは、その事を必ずしも歓迎しておらず、昔ながらのお酒の味わいを求める人たちもいるんです。
その為に、ブラシュアップはしていくものの、極端な変化をしないように努めたり、地元用のお酒を造っている蔵もあります。
それを踏まえて、大手の取り組みを見たとき、新しい試みもしつつ、今までのファンを切り捨てることもしない改革だなって思いました。
厳しい状況だから、見えてくるもの
勘違いしないでほしいのは、コストをも労力もかけて造る酒を、蔵元の身を削って、安く提供しろって言っているわけじゃないんです。
良い酒だから値段も高い。それでいいのだと思います。
ただ、皆が皆、価格にしろ、サイズにしろ、ついて行けるかは別だと思うんです。
世の中が、コロナ前通りだったら、飲食店が気持ちよく1升瓶を買ってくれる日々が戻ってくるでしょう。
でも、そうじゃない立場に置かれたとき、今まで通りで行くのか、それとも違う方向も考えるのか。
それを選ぶのは、蔵それぞれ次第なると思うのですが、私はこの厳しい状況下って、顧みたり、この先を考えるチャンスだと思っています。
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