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雨が降らなかった一日

曇り空が好きな君が愛おしい。
行く8月を惜しむ君。
秋が嫌なわけじゃないよ。ただ8月が愛しすぎるだけなんだと、ずっと切なそうにしている。
雨が多いから、晴れたら洗濯をしなければと忙しそうにする。
おひさまのにおいも雨のにおいも、君の匂い。
こんなに暑い日ももう少なくなる、と言ってタオルケットを干しながら、寂しそうなため息をつく。

曇りの日は少しでも、季節を意識しなくて済む。
曇り空は優しい。すべての間でいてくれる。
優しいのは8月なんだよ、と君は言う。

優しいのは君だよ。全てを抱きしめていようとする君は8月の暑さみたいだね。

秋が好きな君も知っているから、今は夏の名残りを、追いかけていていいよ。
嫉妬なんかしない。
秋の底で待ってるね。



恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。