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三日坊主日記 vol.31 『たなかしんさん』
たなかしんさんという画家であり絵本作家がいる。
子午線とタコで有名な兵庫県明石市にアトリエを構え、明石の海の砂を使ってあたたかくて、とてもやさしい、誰にも似ていない特別な絵を描く人だ。有名百貨店で個展を開催し、一週間で一万人ものお客さんを呼ぶ人気者なんだけど、全く浮ついたところのない素敵な人。
絵も良いが、文章がまた良い。とてもとても愛に溢れていて、読んでいて心が洗われる。しんさんは絵と絵本の他に小説も書いていて、これがまた堪らなくいいのだ。
例えば、僕が初めて読んだしんさんの本「カエルムと魔法の鍵と光の冒険」。ファンタジックで慈悲深くてとても良い話だなと読み進め、豊かな気分で読み終わった。そして本人が書いたあとがき。ほんの3ページほどのあとがきを読んで、大げさではなく僕の涙腺は崩壊した。内容についてはここで書かないけど、しんさんはたくさんの悲しい経験をしている。そしてその悲しい思いを自分の中でやさしい気持ちに変えて表現しているのだ。大きな悲しみを大きなやさしさに変えることができる人。
昨年、友人の紹介で明石のアトリエを訪問して、すぐに意気投合して魚の棚商店街で終電まで呑んだ。それからも個展を見に行ったり、SNSで連絡を取りあったり、一緒になんかしたいねといつも話している。
そんな中、本日改めてリモート打ち合わせの機会を得た。具体的に何かプロジェクトが動き出した訳ではないんだけど、何かやれそうな気はしてきた。誰がが動かないとなんにも動かないもんね。なんだか楽しみ。
たなかしんさん、いいですよ。
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