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三日坊主日記 vol.156 『バリ島三日目』

前日のパーティーでちょっと飲み過ぎた。


胃が重いし寝不足でちょっとつらい。幸い午前中は長男が妻をアテンドしてくれるというので、ヴィラでゆっくりさせてもらうことにした。ヴィラを出ると正直言ってバイクや車が無秩序に排気ガス撒き散らしながら走り回っているし、街も決してキレイではなく落ち着かないが、敷地内はとても快適だ。


今回のヴィラは貸し切りで、我々の他にゲストはいない。早朝から夜遅くまで何人ものスタッフがお世話をしてくれるし、入り口は24時間セキュリティーガードがいて部外者は入れないようになっている。リラックスするには最高の環境なのだ。


たとえば何週間も滞在して、映画の脚本を書いてみるというのはどうだろう。静かだし(波が高いので潮騒というよりはゴォーっと嵐のようにも聞こえるが)、訪ねてくる人もいないし、ゆっくりと集中できるのではないだろうか。それとも、普段の生活とはあまりにも違いすぎて、却って筆が進まないのだろうか。


僕の監督した映画『泥の子と狭い家の物語』のように、大阪の下町を舞台にした市井の人たちの話しは環境が違いすぎて書けないようないか気がする。このヴィラにはどんなお話しが似合うんだろ。リッチでエレガントなカップルが巻き込まれるサイコスリラーとか面白いかも知れない。リッチなカップルをお世話するスタッフ側から描いても良いんじゃないだろうか。スタッフとして働く地元出身の貧しい若者が、これまでに見たこともないような美しい妻の態度や目線などに翻弄され、どんどん惹かれていき、運命を狂わせていく。なんていうのはどうだろう。あれ?こんな映画どこかにあったかな。


いや、でも本当に面白いかも知れない。とはいうものの、そもそも数週間も滞在するって事自体に現実味がないからなぁ。なんて妄想してしまうような環境と時間の流れがここにはあるのだ。


そして午後からは妻をアテンド。あの手この手で集めた情報を元にあちこち見て回った。この日お願いしたドライバーさんはベテランで、裏道や迂回路をよく知っていて助かった。しかも英語を上手に話すんでコミュニケーションもバッチリ。とても効率的で有意義な一日になった。


因みに初日に来てくれたドライバーさんは英語も日本語も全く話させない人で、非常に難儀したのであった。




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