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映画『泥の子と狭い家の物語』公開日記 〜別府ブルーバード劇場〜

先週の土曜日、別府ブルーバード劇場で舞台挨拶をさせていただきました。

話には聞いていたのですが、とても趣のある素敵な劇場です。来てくださったお客さんのほとんどが常連さんで、劇場と映画をすごく愛しているから、劇場の客である僕もすごくあたたかく迎えてくださいました。

上映後の挨拶予定だったんですが、上映前に行って皆さんをお迎えし、ついでに『泥の子狭い家の物語』を一緒に鑑賞。編集では何十回何百回も見ているんですが、スクリーンで見るのは3回目。見るたびに制作者の目から観客の目に段々と変化していって、今回は途中何度か胸が詰まりそうになりました。うーん、いい映画だ(笑)

上映終了後は進行役の大樹くんと登壇してご挨拶とトーク。撮影裏話や大阪弁の持つ独特のニュアンスなど、たっぷりとお話しました。中でも盛り上がった話をご紹介します。

まずはキャスティングにこだわりすぎて撮影が大変だった話。

『泥の子と狭い家の物語』の感想で多いのが、どの出演者もキャラクターが立っていてイキイキしているということ。もちろん俳優達が頑張ったのが大きな理由なんですが、選ぶ段階でもかなりこだわっているんです。

特に最後まで決まらなかったのが幸男(父親)役。何人もお会いしてどの方も素晴らしいんだけど、いまいちしっくりとこない。で、最後の最後にお声掛けしたのが有田洋之さん。この方実は俳優ではなくナレーターが本業。テレビやCMのナレーションや電車内のアナウンス、ゲームの声なんかをやってる人。僕もCMで何度も仕事をしていてよく知る間柄なんです。でも、顔出しのお芝居ができるのかどうか分からないのでお会いしたら、これが良かった。イメージにピッタリ。本人もやりたいと言ってくれたんですが、大きな問題がひとつ。

有田さんは読売テレビのかんさい情報ネットten.という番組でレギュラーナレーションを担当している為、月曜日から金曜日の平日の午後は読売テレビに居ないといけない。ということは、撮影できるのが早朝か夜か土日だけ。どう考えても無茶なんですけど、僕は有田さんにお願いしたかった。助監督に頼み込んでスケジュールを無理矢理嵌め込んでもらいました。

当然撮影は大変です。有田さんだけではなく他の俳優陣も似たような状況でなかなか全員揃わない。ほんとうにスタッフや俳優部の皆さんには多大なご迷惑をお掛けしましたが、なんとか撮り切りましたし、今となってはこだわり抜いて良かったと思っています。というような話をしました。

もうひとつ大阪弁のニュアンスの話。特にアホという言葉が持つニュアンスの話で盛り上がったんですが、これはまた別の機会に。

客席のお客さんも次々と積極的に感想を述べてくださいます。物理的にもそうなんですが、精神的に劇場(映画)とお客さんが近いということに驚いたし、素晴らしい経験ができました。

そして終了後はなんと劇場スタッフとお客さん達と一緒に近所の居酒屋へ。映画の話、それ以外の話、などなどなど、おいしいお料理とお酒と共に時間を忘れて堪能。そして、また新作と共に帰ってきてください。とありがたいお言葉もいただき、忘れられない夜になりました。

照さん、実紀さん、大樹くん、そして別府の皆さん、ありがとうございました。
また必ず戻ってきます!


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