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三日坊主日記 vol.174 『血が止まらない』

ひと晩中血が止まらない。


と言っても僕ではなく、妻の話し。昨夜歯医者から帰ってきて風呂に入ったあたりから、治療した歯から血が滲み出した。風呂で血行が良くなったんだろうと様子を見ていたんだけど一向に止まらない。とはいえ、歯医者は既に閉まっているし、救急病院へ行っても歯科なんかないので我慢するしかない。非常にかわいそうだが様子を見るしかなかった。


僕は血が苦手だ。まあ、得意な人はあまりいないと思うんだけど、僕はずいぶん苦手。自分の血でも、他人の血でも、息子たちの血も、妻の血も、苦手だ。少量ならまだ大丈夫だけど、少し多くなると卒倒しそうで見ていられない。次男が小学校に上がる前に車のパワーウインドウに指を挟んで大怪我をしたことがある。その時は後部座席が真っ赤になる程の大惨事だったんだけど、見た瞬間に本当に卒倒しそうになって随分頼りない父親だった。面目ない。


よくテレビのドキュメンタリーで外科医の先生を紹介しているが、心の底から尊敬する。毎日毎日他人の身体にメスを入れ、大量の血を浴びながら命を救う。とても真似できない。絶対に真似はできないんだけど、僕は実はとても手先が器用だ。もし手先が器用選手権があったとしたら、間違いなく大阪府代表で全国大会に出場するだろうというくらい手先の器用さには自信がある。


だから、いつも外科医を紹介する番組を見ながら(といっても血が出ているシーンは目を背けているんだけどね)、僕が外科医だったら、ブラックジャック並のメス捌きで多くの人の命を救えただろうな、などと訳のわからない妄想をしている。手先の器用さ以前に血が怖いし、だいいち医者になれるほど頭が良くないんだけどね。


妻の話し。結局、ひと晩中血が止まらず、ティッシュ一箱分と枕が血で真っ赤に染まった。朝一で歯科へ行き、一時間程かけてやっと止まったのだ。先生も恐縮して、今日の治療費は信じられないほどお安かったらしい。それにしても、今日が日曜日じゃなくて良かった。



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