三日坊主日記 vol.230 『映画祭と渡航中止勧告』
友人から相談のLINEがきた。
海外の空港で予約なしに当日航空券を買えるのか、と。僕はそんな経験ないし詳しくもないけど、空いてれば買えるんじゃないか、ずいぶん高くつくと思うけど、と返した。
なんでも、ロシアの映画祭で受賞したらしく(おめでとう)、旅費と宿泊費を出すから来いということらしい。それは滅多にないチャンスなんだから行きたいだろうと思う。しかし、いま彼の国は戦争中で、西側からの経済制裁の関係もあって、チケットが取れないらしいのだ。そこで、中国まで行って、中国でロシア行きの往復航空券を買えないかと思い立ったそうである。さて、この旅は実現するのだろうか。外務省から渡航中止勧告が出ているのをわかった上で、ちょっと考えてみた。
まず、ビザはネットから申請できるようなので、そこはクリアしたとする。その映画祭の事務局が航空券を買って送ってくれれば一番良いのではないか。僕も以前パリの映画祭に招待された時は、FedExで航空券を送ってきてくれた。ちょっと検索してみると、ロシアからの荷物もちゃん日本に届いているようだ。とはいえ、郵便事情がよくわからないし、なんといっても戦時下なんだからそこそこ日数がかかる覚悟は必要かも知れない。
では、友人が考えたパターン。中国まで行って、そこで航空券を買うという案はどうだろう。僕はそのあたりは全然詳しくないし、かといって調べるのも面倒くさいので推測してみる。中国で航空券を買ってロシアへ入るということは、中国での滞在先が決まっていないということ。そんな状態で果たして入国できるんだろうか。いくらすぐにロシアへ飛ぶと伝えても、その航空券すらないんだから、恐らく入国は難しいだろう。
それなら、中国で買うつもりの航空券を日本で買えないのか。これは買えるんじゃないだろうか。いまはどこの航空会社でもネットで予約できるんだから。恐らくロシア語や中国語だけではなく、英語でも買える。しかし、ここで問題になるのは、クレジットカード決済ができるのかどうか。聞くところによると、経済制裁の影響で、日本で発行したクレジットカードはロシア国内で使用できないらしい。となると、ロシアの航空会社は外して中国の航空会社かそれ以外の国の航空会社、またはいくつかある航空券予約サイトの中から、ロシア便を売買しているサイトを探すことになる。
この方法なら行けるんじゃないか。というか、普通の個人旅行とさはど変わらないじゃないか。ならばタイや中東の国など、他にも経由地はあるだろう。ホテルは映画祭のスタッフに押さえて貰えばいい。ただし、現地でクレジットカードが使えないとなると、現金を持ち歩くことになるのか。それは、やはり、かなり不安である。身ぐるみ剥がれたら本当に帰れなくなってしまうのだ。ロシアに悪人がいないことを祈るしかない。
ただ、改めて在ロシア日本大使館のサイトを見ると、やはり戦時下の緊迫状態であることが伝わってくる。日本とロシアが戦争しているわけではないが、やはり敵側の国へ入国するんだから、それなりの覚悟が必要だろう。ロシア政府にとってはもちろん、一般市民にとってもやはり敵側の人間だという感情は湧くだろう。映画祭のスタッフや参加者は同じ志を持つ仲間だとしてもね。
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