見出し画像

三日坊主日記 vol.27 『広告をサボるな』

広告をサボっていたなーと反省している。

僕はCMディレクターという看板をあげて、関西を拠点に活動している。(日本経済の中心地である)東京にマンションを借りて二拠点生活をしていたこともあったし、今も仕事しに行くけどやはり根っからの関西人だ。

【以下完全に僕の見解で、事実と違う部分があるかも知れないので鵜呑みにしないでね(笑)】関西にいると広告仕事(映像仕事と言い換えてもいい)の量も質も東京とは比べ物にならないけど、その前に情報量が圧倒的に不足している。東京に暮らせば情報不足にならないかと言えばそうではないし、地方にいれば必ず情報不足かと言えばそうでもない。しかし、地方に暮していると、自分から進んで取りに行かないと新鮮な情報にはなかなか出会えないと思う。

情報を持つ人と会うとか、ネットや本で探るとか、現地へ見に行くとか。方法はいろいろあるけれど、とにかく自分をそういう環境に置くことでしか解決しない。僕はずっとそうしてきたし、今もそうしているような気でいた。が、しかし、そうではなかったのだ。つい最近、あることがきっかけで、僕の中のOSが二世代ほど前から書き換えられてないことに気づいたのだ。

ヤバい。

2021年に初めての長編映画を撮ってから昨年末まで、完成した映画を上映したり、新しい映画を撮ったり、映画に翻弄されていた。もちろん楽しんでいるんだけど、心も体も映画に忙殺されていたと言ってもいい。今になって考えると分かるんだけど、その時は自分でコントロールしているつもりだった。広告の仕事も可能な限り受けていたし、CMディレクターでもあるし、映画監督でもあるんだという自覚のもとに仕事をしていた。

人間は知らず知らずのうちに不足している栄養分を含んだ食べ物を欲するというけど、もしかしたら最近の僕はそういう状態なのかも知れなかった。ここんとこ、時間があれば広告の本を読んだり、youtubeを見たりしていた。特に目的はないんだけど、映画ではなく広告を探していた。体が広告を欲しているのだと思う。そして見つけてしまったのだ、ある動画を。

それは、ある最前線で活躍する広告クリエイターが広告の今を語っているだけの動画で、その人(たち)は自分の作った広告や最近の広告を楽しそうに語っているんだけど、その話し方、内容、クライアントとの距離感、世間とのつながり方、など全てがほんの少しずつだけど今の僕とズレている気がするのだ。微かに心拍数が上がって、目眩がした。

広告の基本構造は昔から大きく変わらないけど、やはりその時代時代の空気とか匂いがとても大切で、新しさという形のないものが最も大きな価値を持つ。だからほんのちょっとサボるとあっという間に二世代前のOSのようになってしまうのだ。自分でも気づかないうちに。これは広告に限ったことではなく、映画も同じだと思うし、いろんなものに当てはまるんだろうと思う。もちろん僕という人間にもね。

しかし、ほんの少しのズレに気がつけてよかった。
まずはOSを最新バージョンに書き換えよう。そして広告にも映画にも翻弄されず、忙殺されず、自分なりに次の一歩を踏み出そうと思うのであった。サボらないようにね。

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,581件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?