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愛がなんだ(2019.4.19.公開)

今回は
愛がなんだ』です。

今泉力哉監督作。

角田光代の小説「愛がなんだ」を映画化。
極端な片思いの話であり、
想像の上をいく映画でした。

今泉監督の作品を観て何度も経験するのは、
作品の中の登場人物に
たとえ共感できないとしても、
その人物の中に
自分の一部を見出すことができること。
そこをきっかけに
一気に作品の理解が深まる。
これが本当に面白い。

片思いをする主人公テルコ役に岸井ゆきの、
片思いされるマモちゃん役に成田凌。
さらに深川麻衣、江口のりこ、若葉竜也も素晴らしい。

自分は昨年の東京国際映画祭で、
『愛がなんだ』のワールドプレミア上映を観ることができました。

上映前舞台挨拶には、
今泉力哉監督と岸井ゆきの、若葉竜也が登壇。

岸井ゆきの
「皆さんの感想を聞くのが楽しみでありこわいです」

(質問)
今回は原作もの。何か違いは?

今泉監督
「今までオリジナルで作ってきた片思い、
 恋愛の話と違うものを感じたし、
 オファーの理由も理解できました」

「恋愛の温度が低いものを描いていた今までの自分の作品に対し、
 温度の高いものがある。
 それが作品の強さになっているかもしれない」

岸井ゆきの
「原作を読んだときにはテルコという人物がけっこう凄いな、
 これはどうしよう、
 と思ったのですが、
 自分の中にもぜんぜんこういう部分があるな、
 と思えたので
 そこの部分を重ね合わせて演じることができたと思います」

(質問)
はじめての今泉組ですが。

若葉竜也
「今泉監督はずいぶん前から知っていて、
 是非参加したいと思っていた監督のひとりだったので
 光栄でした。」

(質問)
どんな監督でしたか?

若葉竜也
「このままですよ。
 本編を観てもらえればわかると思いますが、
 原作はあるけど
 間違いなく今泉監督の作品だということがわかると思います」

また上映後Q&Aには、
今泉力哉監督が再登壇。

(質問)
片思いとは?

今泉監督
「まずウディ・アレンの言葉を借りれば、
 一番相手を知らないでいれる、
 ということ。
 誰かを好きになるということに魅力があり
 片思いを描いている部分はあります」

今泉監督
「脚本をつくっていく上で
 なるべくテルコをひとりにしていこう
 という意識がありました」

(質問)
若葉竜也について

今泉監督
「あるシーンで、
 よく涙を流さないでいてくれたね、
 と云いました」

若葉竜也のシーンでは、
台本になかったというツバをはく、
という部分、
素晴らしかった。

『愛がなんだ』上映劇場

text by ronpe

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