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2度目の緊急事態宣言、1度目よりも「不安感」が減少。「テレワーク実施率」は発令3週目に急上昇、1都3県で38.7%

新型コロナウイルスの感染拡大によって発令された11都府県(現在は10都府県)対象の緊急事態宣言は、生活者心理にどのような影響を与えているでしょうか。マクロミルの定点観測データ「Macromill Weekly Index」で分析しました。

【1】気になるニュース、「新型コロナ」が前回の緊急事態宣言時に比べてスコア低下。今回はコロナ関連以外にも、「バイデン新大統領」「ミャンマークーデター」等、海外ニュースが上位にランクイン


生活者の「過去1週間に気になった話題やニュース」について時系列に見ていきます(図1)。緊急事態宣言の発令中、前回も今回もすべての週の1位が「新型コロナ」でした。しかし「新型コロナ」の想起率に注目すると、今回の方が約30 ポイントも低下し、「新型コロナ」だけではなく「ワクチン」への注目も高まり始めました。また、新型コロナに直接は関係しない「バイデン新大統領」「ミャンマークーデター」といった海外のニュースも注目されるようになり、「新型コロナ」一点に集中という状況では無くなっています。
また、「緊急事態宣言」というキーワードに注目すると、前回の緊急事態宣言では週を追うごとに想起率が減少し、緊急事態宣言が延長されようとしたゴールデンウィーク明けに再び上昇しました。今回の緊急事態宣言でも、1月20日以降「緊急事態宣言」の想起率が大きく低下しましたが、前回と同様に今回も、発期期間が延長されるか否かといった報道に合わせて注目度が再び上昇、1月27日時点では3%だったスコアが28%まで急上昇しました。

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図1:過去1週間に気になった話題やニュース(緊急事態宣言、前回と今回の比較)

【2】「不安感」を抱く人の割合は前回よりも少なく推移。2月3日時点では22.4%で、前回の約半数

生活者の「不安感」の推移について見ていきます(図2)。前回の緊急事態宣言時は、発令直後の2020年4月8日に51.4%が不安だと回答し、全体の半数を超えましたが、今回の発令後は30%未満の状況が続いており、2月3日には22.4%まで減少しました。新型コロナの感染者数を前回の緊急事態宣言と今回の緊急事態宣言で比較すると今回の方が大幅に多い状況ですが、「不安感」を抱く人の割合は減少傾向です。

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図2:「不安感」の推移(緊急事態宣言、前回と今回の比較)

【3】消費意欲は前回よりも高いが、実際の消費行動にはつながらず。緊急事態宣言発令後の個人消費金額は
平均13,708円/週

消費に対する意識について見ていきます。「今後1カ月の購入量」を示す消費マインド※1は、前回の緊急事態宣言時は発令される前から低下、ゴールデンウィークの前週(4月22日)に底を打ち、ゴールデンウィーク期間中から急激に改善、そしてゴールデンウィーク後(5月6日)には、前年よりも高いことを示す1.0を上回りました。今回は前回ほどの低下は見られず、今後の景気回復の兆しが見えます(図3)。一方で、「過去1週間に個人が実際に使った金額」を示す消費金額※2は、今回の緊急事態宣言が発令された後から前回と同様に落ち込みを見せています(図4)。また、今回の緊急事態宣言発令後の個人消費金額は平均13,708円/週となっています。
今回の緊急事態宣言の発令中は、生活者の消費意欲は高いものの、財布の紐は堅く、実際の消費行動にはつながっていないようです。

※図3・図4のグラフの見方:棒グラフは、各週の「2019年の同週スコアとの比率」。年末年始やゴールデンウィーク等は毎年消費金額が増加するため季節的影響があり、2020年4~5月と2021年1月~の期間を単純比較できないため、それぞれ2019年の同週スコアとの比率で傾向を見る。

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図3:「消費マインド」の推移(緊急事態宣言、前回と今回の比較)

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図4:「消費金額」の推移(緊急事態宣言、前回と今回の比較)

【4】テレワーク実施率、1都3県で発令3週目に急上昇。3週目・4週目は38%台に

今回の緊急事態宣言において、政府は「出勤者数の7割削減」という目標を掲げ、経済3団体にテレワークの推進を要請しました。実際にテレワーク実施率※3はどのように推移しているのでしょうか。緊急事態宣言の期間別にエリアを分けて確認しました。
テレワーク実施率は前回も今回も7府県より1都3県の方が高いことが分かります。また、1都3県に注目すると、今回の発令から2週間は30%程度でしたが、発令から3週目となる1月27日には1都3県で38.7%と急上昇し、翌週もその横ばいとなっています。要請から3週間目、1都3県の企業のさらなるテレワーク実施が推進され始めたようです。

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図5:1都3県、7府県別の、「テレワーク実施率」の推移(緊急事態宣言、前回と今回の比較)

※1:今後1カ月にモノやサービスを購入する品数や量について「大幅に増える(100)」「やや増える(75)」「変わらない(50)」「やや減る(25)」「大幅に減る(0)」の加重平均の前年同週比として算出
※2:過去1週間に回答者自身がモノやサービスを消費した金額(家賃やローン・公共料金など毎月の支払いを除く)を3週移動平均の前年同週比として算出
※3:有職者のうち、「この1週間にテレワークをした」と回答した人の割合

当調査結果は、2021年2月9日にPR TIMESを通じてプレスリリースしたものです。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000563.000000624.htmlhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000563.000000624.html

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