【ネタバレあり感想】ヲタクがアニメにぶん殴られた話〜クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園編〜

どうも。

良い作品を見た帰路はその作品のことしか考えられなくなるのがヲタクの性ですが、この作品も例に漏れませんでした。

およそ20年振りに映画館で見た劇場版クレヨンしんちゃんがこの作品で良かったです。

出会いは簡潔。信頼できるヲタクが全人類観て欲しいと言っていたので観ました。クレヨンしんちゃんのヲタクが「本気」だと言ったのだから、そこまでの言葉を出させた私はそれに応えるのがフォロワーとしての役目です。

雑駁な感想をば書き散らしていくとしましょう。思い出しながら書くので時系列ぐちゃぐちゃですがお許しください。


まず、作品としての完成度が純粋に素晴らしい(こいつ毎回これ言ってない?)。

この作品は、『映画シリーズ初の本格(風)学園ミステリー』と銘打たれており、そのとおり、学園で起こる怪奇事件を私立天下統一カスカベ学園に体験入学したしんちゃん達が追っていくというもの。

おバカで笑えるクレしんらしさがありつつも、しっかりとミステリーとして成り立っている。正直、「こういうのは悪そうな顔のやつが大体犯人だからな」と思って見ていた私は今後一切ミステリーを語る資格はありませんね(語る予定もありませんが…)。ごめん学園長。

作品全体を通して、我々視聴者に与えられるメッセージ性がとても元気がもらえるもので、子どもはもちろん大人にも観て欲しい作品です。
特に、
「人生が成功しているエリートは無駄なことをしない」
「ミステリーの真実はいつも一つ」
という題に対して、
「人生における青春に無駄なことなんてないし、青春の答えはひとつじゃない」
っていうメッセージをくれたのが、自分の後悔の多かった青春も肯定してくれているようで、それだけでも観て良かったなぁと思いました。

そして、この作品を語るうえでなくてはならない存在がしんちゃんと風間くんの関係性。

個人的に衝撃を受けたのが、クレヨンしんちゃんの話の中で「いつかはこの関係が終わってしまう」ということを仄めかされたこと。

いわゆるサザエさん時空という概念を子どもの頃から何となく理解して観ていたので、小学校に行ったらみんな離れ離れになるという当たり前の事実をこのアニメで突きつけられたのはとても印象的でした。

個人的に、今作めちゃくちゃぶっ刺さったのがひろしとみさえです。
まず、しんちゃんを送り出す2人が本当にヤバい。多分子どもの頃はこのシーンを見てもしんちゃんのように「心配しすぎ〜」と泣くみさえを見て笑っていたかもしれませんが、歳をとってしまったものです。みさえがしんちゃんを抱っこするところで声が出そうになりました。
また、最後のリレーで、事情が分からずもしんちゃんの表情を見て全てを信じて送り出すシーンがとても大好きで、「周りに笑われてもいいの」というチシオの問いかけに「頑張っている人を笑う資格なんて誰にもない」という答えを与えるのが「青春をすでに経験している大人」のひろしとみさえなのもとても良い。本当に良い親だ…
学園、青春というティーンズが主体になる題材で、この2人は数少ない大人としての目線を持っており、主要キャラでも出番が比較的少ないですが、とても重要な役回りだと感じました。

ひろしとみさえと言えば、しんちゃんが親のことを風間くんに揶揄されて怒るところもグッときましたし、「大好きなら諦めない」って言った後に「風間くんのことを諦めない」って言ったしんちゃんが本当にかっこいい。
風間くんもみんなと一緒にいたいからエリートになろうとしていたし、それを知ったみんながリレーに出場するという流れがもう…そんなん好きだよね…

ところでしんちゃんと風間くんが主役の話を昔読んだ気がするのですが、そこら辺しっかり履修してたらまたこの作品の解像度上がりそう…

青春は、ひとつじゃない。成功も友情も恋愛も絆も失敗も後悔も挫折もコンプレックスも失恋も全てが青春の一部です。そんなことを改めて教えてくれた作品でした。

作品の登場人物みんな魅力的で、話も綺麗で、笑えるし泣けるし元気が貰えて、子どもはもちろん、大人にも観てほしい。
「明日からも頑張ろう」と思えるすごく良い映画でした。本当に見て良かった。

本当に感想を乱れ打ちしただけですが、今日はこれくらいにしときます。

では。

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