4.4 間口が狭い土地の設計注意点

都心の土地は、整形地や間口が広い物件より、間口が狭い土地がよく出ます。

1. 間口とは

まず、間口とは何でしょうか。間口とは、道路に面している土地や建物の幅のことを言います。マンションの場合では、バルコニーなど開口部がある側面の幅のことを間口といいます。間口の単位はメートルを用います。

2. 家を建てるのに必要な間口

では、家を建てる時に必要な間口とは、いったいどれくらいなのでしょうか。建築基準法第43条1項によると、家を建てる場合は道路に接する間口は2m以上、共同住宅などの特殊建築物は4m以上と決められています

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これは災害時の避難路・救急車両の接近経路の確保が目的です。建築基準法より道路上空は開放空間を前提としており、接道義務によって敷地の一部が開放空間と接するということになります。これは、通風や排水などの衛生上の観点より大切と言えるでしょう。隣家との距離が近いと通風や採光を確保する工夫が必要です。

ちなみに、国税庁の間口狭小補正率表では、普通住宅地で間口8mまでがマイナス評価となります。奥行きの長さでも普通住宅地では8m以下・24m以上でマイナス評価になりますが、固定資産税は低く抑えられます。

3. 間口が狭い土地に家を建てることで生じる問題

間口が狭い土地に家を建てるとなると、どのような問題が生じるのでしょうか。一番は、間取りのプランが限られるということでしょう。

①玄関の位置が限られる
間口が狭い土地の1番のネックは、玄関の位置が限られることです。間口方向に必要な耐力壁の確保・必要な部屋数・採光窓などを考えると、間取りプランが自ずと、接道に対して前後2つに分割するプランしかできません。東京の場合、窓先空地を確保する必要がある為、共用部が大きくなりがちです。

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②壁式RCの構造上の問題
もう一つ考えられるプランは前後2つに割らず、ワンフロアにするケースです。その場合、必要な耐力壁の確保がネックになります。ワンフロア1戸にするプランは、部屋が大きくなる為、横方向の壁量が少なくなりがちです。意匠設計しかできない設計士は構造上の壁量を計算していないことが多く、施工できないプランを提案してくることがありますので、注意が必要です。

▼構造的に施工不可な壁式RC事例

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▼構造計算後に変更した事例

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縦長のプランでは、横方向に構造壁が出てきてしまい、うまくレイアウトを考えないと、貸しにくい部屋になってしまいます。ここは設計や企画の勝負で、この構造壁はうまく使うやり方を考えれば、何ら支障ありません。

一般的に、間口が7m、前面道路幅員も6mは欲しいところですが、間口7m以下の土地は敬遠されがちで、パスする方が多いです。逆に言えば割安なことが多く、やり方次第で化ける物件はたくさんあり、チャンスです。是非、難しい設計プランでも、頭の勝負でチャレンジしてもらいたいと思います。

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