4.6 地下の作り方

都心で新築するのに、少しでも面積を増やすために地下を造るのが流行ってきています。共同住宅であれば、地下と1Fメゾネットにするか、地階から1Fまでの天井高が地下は全体の1/3以上+地上から1M以下の高さという条件を満たせば、地下の面積が容積対象にならず、1階層増えます。

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建築会社の得意不得意によってコストは変わりますが、一般的に、地下を掘ると建築費は割高になります。しかし、やり方によっては建築費を上げずに地下を造ることもできます。ポイントは「地盤」と「杭」です

1. 杭コスト

杭にはいくつか種類あり、長さ×本数×杭種によってコストが変わります。地盤が弱かったり、支持層まで深いと、場合によっては杭費用だけで数千万します。特に小規模用地だと、杭が収支に与えるインパクトが大きくなって割りに合わないので、注意しなければいけません。そこで、杭を使わずに、地下自体を基礎にしてしまう方法で、建築費を抑える方法があります。

2. 建築費を抑えて軟弱地盤で地下室を造る工法

①ラップルコンクリート
軟弱地盤を「無筋コンクリート」に置き換えるラップルコンクリートという工法です。一般的に、軟弱地盤などの一部、全部を良質土などに置き換える工法を置換工法と言いますが、ラップルコンクリートは表層の地盤下0~2mの範囲の軟弱地盤で基礎を設置しても沈下の恐れがある場合、地盤強化しつつ、地下も確保できる一石二鳥になります。ただし、除去する軟弱地盤の下に良質土があることが条件で、軟弱層が深いと施工が難しいため、事前に地質調査が必要です。

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ちなみに、軟弱地盤が厚い場合は、杭基礎や柱状改良とします。(柱状改良は8~10m程度まで)地盤改良は、軟弱地盤にセメント系固化材などを混合して強固にしたもので、ラップルコンクリートと、やや意味が違います。

②コロンブス工法
もう一つの方法として、基礎下の重い土を取り除き、そこに軽いEPSのジオフォームを入れ、軟弱地盤にかかる建物重量を軽くして沈下を抑える「コロンブス工法」があります。この工法は、地盤とのバランスをとり、建物が傾いて沈む不同沈下を防ぎますので、支持層の深い超軟弱地盤でも安心です。

表層の地盤下0~2mの範囲の軟弱地盤では、基礎を設置しても沈下の恐れがあり、建物を支持できません。建物の重さから、地盤の支持力を差し引いた分の土を撤去し、そのあとジオフォームを敷設します。地盤への荷重が大幅に軽減されるうえに、あらかじめ調査によって荷重の偏りを確認し、均等な状態になるように調整して施工しますので、不同沈下の防止にはきわめて有効です。支持層が深く杭が長くなる地盤ほどコスト・メリットが出ます。

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遺跡対策にも有効です。事前に存在を確認することが困難な遺跡が土工事の途中で発見されると、工事を中断しなければならないばかりか、長期間にわたって再開できなくなる場合もあります。地表近くの地盤をジオフォームに置き換えるコロンブスは、そうした遺跡発見に伴うリスクを回避できます。

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3. 地下を造るデメリット

ここまで地下の建築費を抑えるやり方を紹介しましたが、一方で、地下を造るデメリットもあります。

共同住宅の場合、メゾネット以外で地下を住戸として独立させるためには、採光が取れることが条件で、ドライエリアが必要になります。加えて、東京都は安全条例で全ての住戸に窓先空地を確保しなければいけません。ドライエリアうあ窓先空地を確保すると、上層階の専有面積が減ってしまうので、地下の面積を増やすためだけに上層階の面積を減らしてペイするかどうかがポイントです。

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地下と1Fメゾネットにすると、全地下でも容積対象外になりますが、そうなると、一体で30平米を超える大部屋になりがちで、賃料が高く取れません。しかも、1階は女性に不人気で、治安上嫌がられるため、稼働率も低下してしまいます。

4. トランクルームで地下を有効活用

地下を造るなら、「トランクルーム」がお勧めです。トランクルームはドライエリアは不要で、変形地や狭小地でも効率的にプランが入るため、使い勝手がいいです。0.5平米から細かく区割りして各部屋が小さくすることで、賃料を最大化できるのに加え、戸数分散でリスク分散できます。金融機関にもアピールできます。

ちなみに世界中でストレージマーケットは拡大中で、日本でも需要が年々増加しています。特に、マンションやオフィスのスペースが足りない都心では、近くのトランクルームを借りて、収納する利用者が増えています。

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一度借りたら解約が出ずらく、汚れることもほぼないので原状回復コストはかかりません。また、地下は「ジメジメする」「暗い」などの理由で嫌がられることがありますが、二重壁にすればそれも防げます。入退室はリモートオートロックを採用し、オンライン申込、オンライン決済するなど、オペレーションをシンプル化させれば、人がいなくても運営自動化できます。

5. 弊社の地下空間への取り組み

地下空間の賃料を最大化でき、利用者にもメリットがある"Storage & Co-work"サービスをブランド化し、トランクルームを単なる物置場ではなく「作業ができるトランクスペース」かつ「0円で法人登記ができるバーチャルオフィス」として利用できる全く新しいコンセプトのシェアスペースにしました。

参考までに、弊社の取り組みを取り上げて頂いたプレスリリースを掲載しますので、ぜひ見てみて下さいね。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000046231.html

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