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<おすすめ図書 英語>SOLD OUT: How Broken Supply Chains, Surging Inflation and Political Instability Will Sink the Global Economy - James Rickards


題名:SOLD OUT: How Broken Supply Chains, Surging Inflation and Political Instability Will Sink the Global Economy
著者:JAMES RICKARDS
出版社:Penguin Random House LLC
出版年度:2022
ISBN-10: 0241584590
ISBN-13: 978-0241584590
ジャンル:ビジネス、経済、投資


筆者がこの著者を知ったのは、10年ほど前に出版された Currency Wars 「通貨戦争」を読んだのがきっかけである。当時はリーマンショック後の不景気で雇用の機会はせまく、IT業界からアルバイトまで仕事につくことができればラッキーという状況だった。雇用問題が政治化し、社会的にスケープゴートをさがしていたのかもしれない。その需要をうめるかのように、「通貨戦争」では対米輸出国が自国通貨をきりさげて輸出競争力を確保することでアメリカ製のものが売れず、アメリカ人の雇用を奪っていったというような論理が展開されている。リーマンショック時はグローバリゼーションの只中で、それは最近まで続いていた。否、今でもそれなりに継続している。グローバリゼーションを可能にしたのは、ドルの基軸通貨性と冷戦後のアメリカ単独世界覇権体制にほかならない。海洋輸送ルートの安全保障とドルという通貨の決済システムの容易性、そして巨大で透明性の高い金融市場がグローバル化したサプライチェーンを可能にした。

ところがリーマンショックから10年程度経過したところで状況は変化をみせ始めた。この本「SOLD OUT」は、グローバル化したサプライチェーンが何故崩壊したのか、そして今後のサプライチェーンはどのようなものになるのか。加えてそれは今後のアメリカのインフレにどういった影響を与えるのか、といったことを分析して著者の意見をまじえて紹介している。この本の結論部分において、投資におけるリスク分散についての記述がある。それは一般論として間違ってはいないが、個人一人ひとりのおかれている状況は千差万別なので投資に関しては必ず正式な資格をもったプロにご相談されるべきことに留意していただいて今回の書評を締めくくる。

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