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ドイツに住んでみて(4)

まだの方は、「ドイツに住んでみて(1)」をお読み下さい。

10.ドイツの休日

ドイツの祝日は、キリスト教関係の祝日が多い。イースター、クリスマス、復活祭、などなど。州によっても違い、私の住んでいたヘッセン州は、祝日は少ない方らしい。

学校は9月始まりなので、夏休みは、学年の切り替わりで、宿題がない。うらやましいことだ。そして、その夏休みは、州によって異なるらしい。ドイツ中で夏休みが重なって、車の渋滞などが起こらないようにしているらしい。年によっても、夏休みが違ったような気がする。

クリスマスは12月の25日と26日で、24日は午後休になる企業も多い。正月は1月1日の1日だけで、普通の休み、という感じ。でも、前日は午後休の会社も多いと聞く。イースターは、金曜日と月曜日なので、必ず4連休となる。

有給休暇は、最初から20日もらえて、病欠は別でもらえる(診断書が必要かも)。なので、夏に20日まとめて休みを取ってどこかに長期旅行する社員もいる。

会社で休みの社員がいた場合、その社員が担当する仕事に関して外部から電話がかかってくると、担当がいないのでわからない、と言う返事をすることがある。日本では考えられないことだけど、それはそれで、向こうも納得するので、ドイツ全体がそんなものなのだろう、と思っている。

11.ドイツの観光

ドイツにはお城が多い。ノイシュバンシュタイン城(日本のディズニーランドのお城はこれをモチーフにしているらしい)は有名だが、そのほかにも各地にお城がある。ハイデルベルク城もその一つ。

余談だが、ノイシュバンシュタイン城にも行ってみたが、あのお城は、遠くから眺めるから美しいので、下から見上げても余り感動しないかも知れない。

ローテンブルグという、城壁で囲まれた街も有名かも。この中では雰囲気を壊す建物は御法度なので、マクドナルドもあのどぎついカラーの外壁ではなく、周りに合わせた塗装をしている。でも、店内はいつものマック。また、一般の車は、城壁の中には入れない。

ブレーメンへも行ってみた。音楽隊の銅像が市役所の前にあるが、思ったより小さかった。私が行った時は、何かお祭りだったようで、市役所の前で誰かが何かを演奏をしていた。見つけるのに苦労した。

確か、ブレーメンに行く途中だったと思うけど、ハーメルンという街によった。ハーメルンの笛吹き男、と言う伝説があって、それが有名らしい。毎日、そのアトラクションが行われている。

観光ついでに言うと、電車の乗り方が日本とかなり違う。改札はなく、切符を買って列車に乗るだけ。時々、検札があるらしい。見つかるとかなりの罰金?を取られるので、みんなきちんと切符を買って乗っている。切符の自動販売機はホームにあったりもする。

12.ドイツ語

ベルリッツで妻がドイツ語を教えてもらっている時に、一緒にくっついていった4才の娘が、いきなり、auf dem Tisch とか言い出したことは前に書いた。

その後も、親日家で、仲良くしてもらっていたアパートの大家さんの息子さんと遊んでもらっている時に、娘がゲラゲラ笑いながら、noch einmal!(もう一回!)と言っていたのを耳にした。

家では絶対にドイツ語は話さない。親が話さないと、子供は家では話さないらしい。幼稚園(Kindergarten)に行っていたので、多分、そこで覚えてきたのだろう。

車はBMWで、修理に出す時は会社の近くのディーラーへ出していた。修理に出す時は、まず裏の方へ回り、3つある受付窓口のどれかに車を入れる。たしか、1番は英語が割と達者なクンデンマイスター(顧客マイスター)で、2番は片言の英語が話せる。3番はドイツ語しか話せない。

ある時、渋滞でオーバーヒートした。その時はADAC(日本で言うJAFのようなもの)に連絡して、応急措置をしてもらった。で、翌日、BMWのディーラーへ持って行ったら、なんと、3番しか開いていない!

そこで、やむなく3番に入れて、英語で事情を説明しようとしたが、やはり通じない。そこで、特に準備もしていなかったけど、水温計を指さして、zum Rot(赤に)という言葉が勝手に出てきた。これは通じたようだ。

マイスターからも何か早口の(いや、これがノーマルスピードか?)ドイツ語で質問されたが、聞き取れたのは最後の、am Fahren oder im Stau?(走行中に?それとも渋滞で?)だけで、とっさに出てきたのが、im Stau(渋滞中で)と言う返事。

マイスターはボンネットを開けて、ささっと確認し、冷却ファンを指さして、kaput(壊れている)と言った。

聞き取れたのも褒めてあげたいが、自分でも驚いたのは、zum Rot や im Stau のように、前置詞(と定冠詞)付きで、言葉が出てきたこと。これは中性名詞で、zu の後は3格だから…などと考えていなかったことだ。

言葉って言うのは、こうやって覚えていくモノなのだな、と、それまでは頭でわかっているだけだったけど、この時に実感した。

ドイツ語っておもしろいなと思ったのは、順序が割と自由だ、と言うこと。冠詞に格があるので、順序に関係なく、主語(1格)、直接目的語(4格)、間接目的語(3格)が区別できる。平叙文では、動詞が2番目、以外はどう置いても良い。助詞で区別できる日本語に似てるね。

もう一つは、勝手に単語をつなげて、一つの単語にしてしまっても良い、と言うこと。なので、時々、やたら長い単語を見かける。そして、一つの単語にしてしまってもシラブルを作らないので、単語を分けた時と読み方は同じ。

そのほか、名詞に性があるとか、名詞は必ず大文字で始める、とか、分離動詞と不分離動詞がある、とか英語と日本語しか知らないと、戸惑うことが多くある。

でも、覚える時はそういうことじゃなく、聞きながら覚えていくのだろう。

(続く)

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