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「先端的なビジネスモデルには積極的に投資したい」M&Aクラウド×投資家対談 博報堂DYベンチャーズ 武田紘典氏

皆さんこんにちは。藤原です。先日、M&Aクラウドは10億円の資金調達を発表いたしました。

「UPDATE M&Aクラウド」では今回の資金調達の発表に合わせて、このラウンドにご参加いただいたVCやCVCなどの投資家の皆様と、当社代表取締役 CEO 及川厚博の対談記事を連続で公開していきます。

今回対談させていただいたのは博報堂DYベンチャーズの武田紘典さんです。博報堂DYグループのスタートアップ投資やスタートアップとの関わり方、投資後のバリューアップのさせ方などをお聞きすることができました。ぜひ最後までお読みくださると嬉しいです。

及川が紹介した別の起業家へも出資!

――武田さんとM&Aクラウドや及川との出会いはどういう経緯でしたか?

武田 以前から当社代表の徳久と及川さんとは面識がおありだったのですが、徳久と及川さんとの会食の場でご紹介いただいたのが最初の出会いでした。その後も、及川さんには他の起業家の方もご紹介いただいたりして感謝しています。

及川 徳久会というのをやりますと聞いて駆けつけました(笑)。

武田 そこで意気投合して、創業に至る経緯などもその場で聞かせていただきました。私自身、博報堂DYグループに入社する以前は証券会社でM&Aを担当していましたので、及川さんのM&Aに対する原体験や業界に対する想いなどをお聞きして、これは機会があれば将来ぜひ連携させていただきたいなと、そのとき思いました。

あと、その場でご紹介いただいた別の起業家の方にも、当社からその後出資させていただいていますから、そういう意味ではとても実りある出会いだったと思います。

――そういう出会いだったんですね。そこから現在に至るまで、武田さんから見た及川に対する印象というのはいかがでしょうか?

武田 及川さんが初めの出会いの場に呼んでくださった起業家の方が非常に魅力的だったのですが、M&Aは本当に人と人とをつなぐ仕事だと思います。そういう意味で、博報堂DYグループとしっかりとシナジーがありそうな領域の方を連れてきてくださっていて、豊富な人的ネットワークがあるという人間的な魅力も含めて、経営者としてとても素晴らしい方だなと思いました。

――資金調達活動中の印象はどうですか?何か変化がありましたか?

武田 そうですね。非常にオープンな方だなと。数値周りも含めて、今の置かれている状況であるとか課題感であるとか、その課題解決までの時間軸や障害になりそうなことなど、とてもオープンに、理路整然と話される印象があります。

――及川さんから見て武田さんの印象や魅力ってどんなところですか?

及川 武田さんって金融のバックグラウンドがあるので話を持っていきやすいというのがあって何人か起業家を紹介したりしました。僕が紹介した起業家の会社に後に投資してくださったりもしたので、実際にちゃんと投資してくれる人なんだと思いましたね。それからいろいろとコミュニケーションを取らせていただいて、その中でも、楽しい人だなという印象が強いですね。上司の徳久さんともとても良い関係性を築いていらっしゃいますよね。

あとは博報堂DYベンチャーズさんとしても、めちゃくちゃスタートアップに投資しているので、その活発さというのはリリースでもいつも拝見していました。だから今回のラウンドでも話しに行くしかないと(笑)。

シナジーは中長期。まずは先端的なビジネスモデルやテクノロジーに出資したい

――そこで今回ご出資をいただけたわけですが、博報堂DYベンチャーズさんとしては、どういう基準でスタートアップ投資をされているんでしょうか?

武田 まず博報堂DYベンチャーズは博報堂DYホールディングスの100%子会社で、博報堂DYベンチャーズがGPとなって組成するHAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUNDで投資活動をしています。

ファンドは2019年の7月に立ち上がりました。スタートしてからまだ2年と少しくらいで、比較的新しいファンドですが、博報堂DYグループの中期経営計画5年間の期間中100億規模の投資を行うことを想定し、投資活動を行なっています。単純計算で年間約20億円、社数としてはだいたい月に1社か2社くらいのペースで出資させていただいています。

投資対象は広告・マーケティング領域だけに限りません。先端的なビジネスモデルやテクノロジー関連の領域でも、積極的に探しにいこうとしています。

M&AクラウドさんはM&Aというレガシーな領域にDXを持ち込もうとされていますよね。通常であれば労働集約型のビジネスを、テクノロジーを使ってプラットフォーム型のビジネスに転換されています。このあたりが先進的なビジネスモデルやテクノロジーに該当すると思っています。当社としてもそういうところには積極的に投資していきたいと思っていました。

――なるほど。博報堂DYグループさんの本体事業とのシナジーが絶対!みたいな感じではなく、新しいビジネス領域やテクノロジーも純粋に投資対象になってくるということなんですね。

武田 そうですね。ただ、もちろん中長期的には、我々のグループにどういう意味合いを持たせるのかという部分はしっかり見ています。M&Aクラウドさんの場合ですと、我々自身がM&Aを今後強化していかなければなりませんので、密に連携できるというのは意味のあることだと思っています。

投資家対談_博報堂DY_武田さん

オープンでチームビルディングができる起業家が好き

――今度は武田さん個人としての投資基準をお聞きできればと。気になる起業家も多いのではないでしょうか。どういう起業家が好きかとか、投資後のスタートアップ経営に対する関わり方も併せてお聞かせいただけますか。

武田 やっぱりオープンマインドな関係性を築ける方は好きですね。起業家と投資家って、良いときも悪いときも、二人三脚でずっと歩んでいくような、付き合いの長い関係性になります。しっかりと率直にお話しいただける方であれば、悪いときでも一緒にその困難に立ち向かっていけると思います。

あと、スタートアップのグロースはチームビルディングにかかっていると思います。なんでも自分一人でやろうとするのではなくて、しっかり任せるところはメンバーに任せられるような起業家であれば、会社としてもしっかりグロースさせることができると思います。そういう意味では及川さんはどちらも満たしていると思っています。

――ありがとうございます。では出資後のスタートアップ経営への関わり方についてはいかがでしょうか?

武田 M&Aクラウドさんに関しては、私自身M&Aに関わっていた人間ですので、個人的には密にコミュニケーションしていきたいですね。ハンズ・イフになるとは思いますが、これからの事業の成長に際して及川さんから求められれば、壁打ち相手としてであったり、普段のコミュニケーションの中でも、私の経験やナレッジを共有させていただければと思っています。

博報堂DYグループとしては、M&Aクラウドさんが特にITスタートアップに強いM&Aプラットフォームとしてのブランド認知をもっと高めるためにご支援できればと思っています。具体的な方法として何が良いかはこれから一緒に検討していきたいです。

M&Aクラウド以外の他のスタートアップに対しても、私の関わり方としては、起業家の方が納得いくまで壁打ちのお手伝いをするとか、経験やナレッジを共有させていただくというのが基本的なスタンスになります。

採用広報の強化を一緒に取り組んでいきたい

――では今後のお話として、及川さんから武田さんへの、あるいは博報堂DYグループさんへの期待を聞かせてください。

及川 M&Aクラウドとしては、これから採用広報とかブランディングに力を入れて取り組む必要があります。M&Aでは売り案件と買い案件を集めてそれで終わりというわけではなく、その後にオペレーションがあります。B2Bの会社で、SmartHRとかもそうですけど、SaaS系の会社やプラットフォーム系の会社は社員数が多いですよね。M&Aクラウドもそうなっていく必要がありまして、そういう意味では採用広報は今後さらに重要になっていきます。この領域で博報堂DYグループさんの知見をぜひお借りしたいです。

もう1つは、スタートアップx大企業のM&Aをもっとやっていきたいと思っている中で、ぜひ博報堂DYグループさんの事例をM&Aクラウドとしてお手伝いできたらと思っています。1つ事例を作ることが大企業連携の場合はとても重要で、この事例が0と1とでは大違いなので、ぜひ作っていきたいです。ただ、これは密にやらないと作れないので、今回のご出資を機に一緒に取り組めたらと思います。

投資家対談_博報堂DY_及川さん

――武田さんのご投資先で、M&Aクラウドのように採用広報が課題というスタートアップも多いのかなと拝察するのですが、そういうところにはどのようなご支援をされているのでしょうか?

武田 ステージによってまちまちではありますが、やっぱり重要なのは人を惹き付けるミッション・ビジョン・バリューであったりパーパスであったり、一貫したメッセージです。それを作り込んでいくことが重要になります。M&Aクラウドさんが現状どうかという点については、これからディスカッションさせていただけたらと思いますが、スタートアップさんによってはそのような一気通貫したメッセージの作り込みからご一緒させていただくことも結構あります。

あとはそれをどういう場所にどう届けていくのか、ということになりますが、それは実務的な話になりますので、どちらかというとメッセージの作り込みの方がとても重要になってくると思っています。

及川 これはめちゃくちゃ心強いですね。今は採用広報の専任者がいない状況ですから、頼りになります。

PMI時のブランディング支援もスコープに

――では今度は武田さんから見たM&Aクラウドへの期待を聞かせてください。

武田 直近の2021年上半期だけを見ても、M&Aの件数は非常に伸びています。データによってはこの10年で一番件数が増えていると示しているものもあります。やはり市場全体として事業再編が進んでいたり、後継者難の事業承継の案件が増えていたりしますし、最近はペイパル×Paidy、Google×pringのようなクロスボーダーM&Aも活発化しつつあります。それに加えて、大企業が成長の原資としてスタートアップをM&Aしていく、これはアクハイヤリングも含めてですが、オープンイノベーションの流れの中でそういう事例がこれからもどんどん増えていくと思っています。

その状況の中で、これまではスタートアップM&Aのプラットフォームというのはなかなか立ち上がってこなかったと思いますが、M&Aクラウドさんがそのプラットフォームの第一人者として、量・質ともにますます磨きをかけていってほしいと思います。日本におけるスタートアップエコシステムの一翼を担うような存在になってくれたら嬉しいですし、我々も一緒にそこを支援したいです。

もちろんクリアすべきハードルは多々あると思いますが、M&Aクラウドさんなら実現できると思うのでぜひ一緒に頑張りましょう。

及川 ありがとうございます。僕も一緒にいろんなことができると思っています。例えば、今後PMIのサービスも拡充していくつもりでして、博報堂DYグループさんのリソースを使わせていただけたらありがたいです。

武田 当社グループもブランドコンサルのチームを持っていますので、M&AクラウドさんのPMIチームと一緒に、ブランディングを軸に、クライアントのM&A後のトップラインを伸ばしていく支援ができればと思います。一般的には、PMIとしてコスト削減を軸にした活動に取り組むケースが多いと思うのですが、ブランディングでトップライン伸ばしていくというのはなかなかないので、ご一緒できると良いですね。

及川 ぜひぜひ!いろいろやっていきましょう!

――今度ともM&Aクラウドをよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。

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投資家対談ラインナップ

11/01 インキュベイトファンド General Partner 本間真彦 氏
11/05 スカイランドベンチャーズ CEO・パートナー 木下慶彦 氏
11/08 STRIVE インベストメントマネージャー 四方智之 氏
11/12 SMBCベンチャーキャピタル 投資営業第一部 中野哲治 氏
11/15 博報堂DYベンチャーズ マネージングパートナー/取締役COO 武田紘典 氏
11/19 MS-Japan 代表取締役社長 有本隆浩 氏、常務取締役 藤江眞之 氏
11/22 NORTH AND SOUTH Founder 北尾昌大 氏、Founder 南坊泰司 氏

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