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組織リーダーに最も大切な要

組織づくりや人事領域においては、常に新たな用語・理論・概念・モデルが提唱されて流行り廃りが存在します。

例えば、従業員が組織と繋がりを感じながら意欲的に働くことは、愛社精神→帰属意識→エンゲージメントと変遷してきました。

また、採用領域では、縁故採用、集団就職、新卒一括採用、第二新卒採用、ヘッドハンティング、リファラル採用、スカウト型採用、オファー型採用など、実態は似通った採用手法でさえも、時代が変われば、概念を微妙に変えて新たな呼称が使われてきました。

では、今回のテーマである、企業経営者や組織リーダーが、チームの成果を発揮させるために必要なことにおいてはどうでしょうか?

信賞必罰、ピラミッド階層をつくる、公正な評価制度、フィロソフィー、理念教育、コーチング、チームビルディング、ティール組織、パーパス、エンゲージメント、など様々な角度から手法や概念が推奨され、中には二項対立的に相反するものもあり、それぞれ一定の支持を得て使われ続けています。

組織づくりに限った話ではありませんが、日本人はどうしても唯一の絶対的な正解を求めてしまう傾向があります。しかし、絶対的な正解は人間社会には少ないのではないでしょうか。

特に、組織づくりにおいては、今必要な成果、組織の実状、組織リーダーの特性、目指す組織像、によって正解は大きく異なると思っています。

それでも、共通点はいくつかあると思っていますが、その中でも最も大切な要素が、
「一貫性」です。

ここで言う「一貫性」には2通りの意味があります。

1つは、組織が示す、理念やビジョン、仕組みや制度に関することです。

例えば、理念に「社員の幸せ」を掲げているけど、労働災害が頻発している、従業員のメンタル疾患が多いとなると、社員は理念を絵に描いた餅のように感じるでしょう。

このような例は他にもたくさんあります。

「お客様第一」「誠意」というような理念を掲げているけど、顧客対応よりも社内事情を優先することが多い場合。

教育制度は、チームビルディングやコーチングなどを導入しているが、評価制度では、管理職も個人成果しか評価されない場合。

健康経営をしていて、社内の喫煙ルールや健康診断には力を入れているけど、やたら飲み会が多くてアルハラでお酒を強要される場合。

人財育成が大事、理念経営だと唱ってはいるが、採用では人柄を重視せずに能力だけで判断してしまう場合。

などなど挙げればキリがありません。


もう一つは、リーダーシップに関してです。すなわち、リーダーの言動における一貫性です。

これは、事業方針や経営判断、社内の取り組みのアイデアなどについて言っているのではなく、信賞必罰の判断、部下や社員を注意指導する際の判断、業務の指示における判断、怒るポイントやタイミングに、軸があり変わらないことを指しています。

社員や部下は、社長やリーダーの行動や言葉をよく見てよく聞いています。
特に、厳しいリーダー、怒るリーダーだとしたらなおさらです。なぜなら、怒られたくないし、叱られたくないからです。だから、どのポイントで注意されるのかを見極めようとします。ところが、そのポイントが時と場合でズレていたら、リーダーの期待していることがわからりませんから、期待に沿う行動を取ることができなくなります。

この2つの一貫性は、トップダウン型だろうが、ボトムアップ型だろうが同じです。
一貫性がなければ、どれだけ良い取り組みをしても効果がでません。
また、この一貫性は本人では気づきにくいものです。

ぜひ、側近の幹部や部下に聞いて今一度自分自身や組織の一貫性を見直してみてください。


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