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3. ROIの計測 vs. ROMIの計測

[原題]Measuring ROI vs. ROMI

maci@アメリカ駐妻です。現在、courseraでインフルエンサーマーケティング戦略の授業をちまちまと受講中。自分の復習を兼ねて、授業内容をnoteでシェアしていきます。詳しくはまとめnoteをご覧ください。

【この授業の概要】

1.必要な指標は、ROIではなくて、ROMI

マーケティングキャンペーンを行うにあたって必要な指標は、ROI(投資利益率)ではなくて、ROMI(マーケティング投資回収率)。なぜROMIが重要なのかを知るためにも、計算方法を学びましょう。

2.ROMIの計算方法

(マーケティングに起因する収益の増加($)✕貢献マージン(%)ーマーケティング費($))÷ マーケティング費($)

3.具体例

10万ドル使ってキャンペーンを行い、60万ドルの増収益を得た。貢献マージンが50%だとすると、計算式は以下の通りとなります。

マーケティングに起因する収益の増加($600,000)✕貢献マージン(50%)ーマーケティング費($100,000)]÷マーケティング費($100,000) = 2

この「2」は、インフルエンサーマーケティングに費やす1ドルごとに2ドルの利益(profit)を生み出したことを意味します。これは、かなり健康的な数字。

4.ROMIを使いこなすと…

この式が使えるようになると、インフルエンサーマーケティングがただ予算を使ってしまうだけの無駄なものではなく、利益を生み出す使えるものだと説得できるようになります。

5.ことばの確認

ROI:「Return on investment」の略で、投資した費用から、どれくらい利益や効果を得たかを表す指標。「投下資本利益率」「投資利益率」とも言う。

ROMI:ROMIとは、「Return On Marketing Investment」の略で、直訳すると「マーケティング投資回収率」のこと。マーケティング関連に投下したコストの費用対効果を計測するKPIの1つで、これまで成果を測りにくかったマーケティングという領域において、現在米国では主流の指標となっている。
マーケティング施策の結果に注目し、例えば一定数のリード(見込み顧客)から何件案件化することができたか、成約できたかを数値化して評価する。(シナジーマーケティングHPより)


1.必要なのは、ROIではなくて、ROMI

ROIについて考えましょう。
これはあなたのキャリアを良いものにするはずです。それは私が経験済みです。


CFO(最高財務責任者)が、「今回のキャンペーンのROIはなんだ?」と質問してきたら、それは彼が大学で学んだ指標をさしています。
例えば、新しい工場を建設したり、大量の在庫を購入したりするときなどに使うROIの指標です。長期投資するには、その新しい工場をいつ建設したいのかを理解するために、そういった計算があるのです。


しかし、私たちは、R-O-M-Iを使いましょう。

ROMIは、あなたが使用方法を学ぶ必要がある評価基準であり、マーケティング投資によるリターン(収益、回収)を表すことができます。

似ている言葉で、ROIというものがありますが、R-O-Iは設備投資の計算または金融専門用語でいう設備投資です。


R-O-M-Iはマーケティング費用です。 それはOPEX、つまり事業運営費と呼ばれるものです。ROIとROIMは、別の式です。


CFOに対して、「あなたが私に質問している公式(=指標)は、間違っています!」などと言って、歯向かうことはしたくないでしょう。わかっています、もっと愛想良くしたいでしょう。

そのためにも、あなたはROMIの計算方法を学ぶ必要があります。


2.ROMIの計算方法


では、計算方法を見てみましょう。
ROMIは、収益の増加を示すものですよね?

マーケティング費として、あなたはいくらつぎ込みましたか?
あなたはそれをあなたの貢献マージン、言い換えればあなたの利益マージンと掛け合わせる必要があります。

 次に、マーケティングキャンペーンに費やした金額を差し引いて、マーケティングキャンペーンに費やした金額で割ります。 それが公式です。

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(スライドより)

ROMIの計算方法
[Incremental Revenue Attributable to Marketing($)*Contribution Margin(%)-Marketing Spending($)]/ Marketing Spending($).
(マーケティングに起因する収益の増加($)✕貢献マージン(%)ーマーケティング費($))÷ マーケティング費($)


3.具体的にROMIを計算してみる


それでは、例を挙げましょう。

この最後の四半期で、インフルエンサーマーケティングキャンペーンによって、約600,000ドルが増益収益となったと計算できた(追跡できた)としましょう。


そして、貢献マージンまたは利益マージン(貢献利益)が約50%であることを知っているとします。これは適当な数値です。組織に応じて変更しましょう。
ちなみにほとんどの組織はこの数を隠しているので、時にそれを取得することは困難ですが、はっきりさせましょう。

※貢献利益とは…売上高から、各責任単位が管理可能な原価・費用を差し引いて算出した利益。各部門が全体の利益にどれだけ貢献したのかという意味で、貢献利益と呼ばれる。(グロービス経営大学院HPより)


そして、インフルエンサーマーケティングキャンペーンに10万ドルを費やしました。すべてを計算すると、「2」という数字が出てきます。

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(スライドより)

【例】

[マーケティングに起因する収益の増加($600,000)✕貢献マージン(50%)ーマーケティング費($100,000)]÷マーケティング費($100,000) = 2

*


でも、ちょっと待って。マーケティングにおいて、あなたは大きな数は良く、小さな数を悪いと考えるよう訓練されましたよね。

しかし、今回の 「2」という結果は、実際にはかなり健康な結果です。

その「2」がもたらす最大の意味は、インフルエンサーマーケティングに費やす1ドルごとに2ドルの利益(profit)を生み出すことです。 

言い換えれば、私は収入(revenue)を見ていません。


収入(revenue)は60万ドルでした。 つまり、それはあなたが使った金額の6倍です。 (※キャンペーン費は10万ドル、増収益は60万ドルでした)


しかし、いわゆる販売原価というものがありますよね?
あなたの利益、あなたの製品またはあなたのサービスなどを合わせた費用が発生します。だから、収入は実際にはもっと減ります。

CFOと戦う場合には、それも考慮に入れる必要があります。

これは、あなたが理解する必要がある式です。

この学習しているコースでこの式を使用して、インフルエンサーマーケティングを、現在知られている費用から利益センターに変換します。(この式を使うことで、インフルエンサーマーケティングを、現在思われがちな「お金がかかるもの」から、「利益をもたらすもの」に変換します)

ちょっと考えてみてください。


インフルエンサーマーケティングは、費用ではなく利益センターになる可能性があります。 それはあなたのキャリアを変えます!

しかし、そのためには、CFOが求めているのは間違った式であることを理解する必要があります。

 正しい式、R-O-M-I。 それを学ぶ、それはかなり重要です。


(つづく)

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