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国際ロマンス詐欺は軍関係者を名乗る
別居生活から同居生活に移って2ヶ月が経ちました。同居して改めて気づいたことは、鬼嫁ぶり(「家庭内条例」という記事)でnoteを震撼させた我が妻の、日々作ってくれる手料理がとても美味しいということ。
もしかしたら、単身生活が長く続いたので家庭料理に飢えていただけなのかもしれません。品数は多くはないのですが、毎日のごはんが美味しくて幸せを感じています。そして驚くことに、その料理がもたらす効果も生まれています。
好き嫌いが激しい私の健康を気遣って、なるべく野菜や海藻類を盛り込み、日々工夫を凝らした手料理のおかげで、独り暮らしのときは12.6もあった尿酸値が、たった1ヶ月で6.8まで落ちるという奇跡が起こりました!!
30代まで病院に行ったことが無いくらい健康だったのに、40代で突如として会社の健康診断でE判定が出た尿酸値。いわゆる痛風の原因となる数値ですが、個人差はあるものの7.0を超えたら痛風が発症してもおかしくないと言われています。それが常時二桁の数値をマークしていたというから、同じ症状を持つ人や医療関係者なら、その数値の高さに驚くことと思います。
なぜなら普通の人は2.0以下だから。
念のため私の高い尿酸値を分かり易く伝えるためにプロ野球に喩えてみます。
7.0でプロ入り(発症)。
8.0でレギュラー獲得(常時投薬)。
9.0~10.0クラスになると、バッターなら打率3割5分超えか(会社休みがち)、ホームラン40本以上か(入院)、100打点あげる(自宅療養)選手ですかね~。全部できたら三冠王取れちゃうかも(合併症)。ピッチャーだったら20勝投手(腎臓結石)ですね。
12.0はもう、メジャーリーグ入り(寝たきり)です。
そんなメジャーリーグのスラッガーである私を、一気に高校球児レベルに引き下げてくれたその手料理。せっかくなのでInstagramに記録していこうと思ったものの、私のInstagramはアイスの蓋を開けた写真一本にテーマを絞っていたので、料理の写真なんて軟弱なフォトグラフを載せるわけもなく、仕方がないので、サブアカウントを作ることにしました。
さっそく「鬼嫁料理」というサブ垢を作り、保存していた手料理をいくつか載せて恰好が付いたとき、おすすめのフォロー有名人に出て来た深田恭子とテイラースイフトをフォローしてみたところ、テイラースイフト経由なのか?外国人女性が2名、外国人男性1名からフォローされ、そのうちの外国人女性2名からほどなくDMが届きました。
あとでわかったことですが、おそらくこれは「国際ロマンス詐欺」のアプローチではないかと。ほぼ似たような手口で2人同時にロマンス詐欺が忍び寄って来たことになりますが、せっかくなので、そのうちの1件を体験談としてお伝えしようと思います。
以下、InstagramのDMのやりとりです。実際は英語の会話でしたが、読み易くするために適当な日本語にしています。
■1日目■■■■■■■■
「ハーイ!はじめまして!」
「・・・(だ、誰だ?)は、はじめまして。」
「私はリタ。」
「僕はマチュピチュピチュ。」
「どこに住んでるの?」
「日本だよ。」
「私はアメリカ。来たことある?」
「うん、フロリダとラスベガスに行ったことある。」
「ホント?仕事で?」
「う~ん、仕事と遊びの半々かな。」(両方とも研修旅行)
「いいわね。」
「もう少しあなたのこと教えて。知りたくなったわ💛」
(ときどきコメントに💛が付きます)
「うん、でもその前に、僕は英語が得意じゃないから返事が遅くなると思うよ。」
「そんなことないわ。あなたの英語は分かり易いわ。」
「ありがとう。」
「僕はアラフィフだけど、実際の歳より若く見られるんだ。キミはとても若そうだから、がっかりしたよね?」
「そんなことないわ。」
「ところであなたは結婚してるの?子どもはいるの?」
「うん、結婚もしてるし、20歳の娘ももいるよ。」
「私は結婚もしてないし、子どももいないわ。」
「そうなんだ。キミは可愛いし、親切そうだから、きっとそのうちいい人が見つかるさ。」
「ありがとう。」
このようにして、1日目はどうでもいい自己紹介の会話で終了w
■2日目■■■■■■■■
「私は今、軍事基地の管制室に居るの。」
「ホント?」
「本当よ。私はアメリカ陸軍に勤めてるの。」
「だけど今、アフガニスタンのカブールに来ていて、平和維持の任務に就いているところなの。」
「来たことあるかしら?アフガニスタンのカブール。」
「えっ?な、無いよ。(行くわけないよ)」
(テロで危険な地域なので、普通の人はなかなか行かない場所です)
「世界平和のために従事してるんだね。立派な仕事だと思う。」
「ここアフガニスタンカブールはとても危険なところで、アメリカ軍兵士が時々戦死したりするの。」
「・・・(マジもんか)」
「こんなところで軍人としてやっていくなんて、とてもじゃないけど、やってられないわ。辛いの。」
「大丈夫?紛争地域の最前線だから大変だよね。(実感湧かないけど)」
「そのとおりよ。」
「こんなところで軍人としてやっていくなんて、とてもじゃないけど、やってられないわ。辛いの。」
「・・・(ん?さっきと全く同じコメントだぞ?コピーしたのかな?)」
「あなたは軍人の友達はいるの?」
「いないよ。日本は平和だから。」
「ホント?」
「ここアフガニスタンカブールでの任務終了後、私は軍を辞めようと思ってるの。。」
「無事に辞められたら、できれば日本に行ってみようと思ってるわ。そして日本でアパレルの仕事に就きたいと思ってる。」
「それはいいね。」
「ありがとう!」
「僕は3月まで東京に居たけど、今は福岡で暮らしてるんだ。東京に居たら案内できたんだけどね。」
「福岡・・・?日本の都市なの?」
「うん。東京から800㎞西にある都市だよ。」
(グーグルアースの地図で位置を表示)
「日本はもう夜中の1時だから、僕はもうおやすみするよ。くれぐれも気を付けてね。無事を祈るよ。またね。」
「ありがとう。また話せるといいわね。」
2日目はまだ詐欺だと気づいていません。英語による文通を愉しんでます。
■3日目■■■■■■■■
「ハーイ!昨夜はどうだった?」
(日中はずっと返信できず)
「ハーイ!」「どうしてるの?」「大丈夫?」「心配だわ。」
「遅れてごめん、元気だよ。大丈夫さ。」
「僕は今、仕事に就いていないんだ。3月に会社を辞めたから。そして今は、WEBデザイン(コンピュータープログラムみたいなこと)の勉強をしてるところ。」
「今日はちょっと忙しかったんだ。でももうOKだよ。」
「そうだったのね。」
「日本はいま19:00。アフガニスタンカブールは14:30だよね?」
「そうね。こっちは14:20よ。」
「・・・(時差を確認したところ、きっちり返して来た。)」
「日本では夕食の時間ね。もう済んだの?」
「うん、食べたよ。今は独りなんだ。キミは何してるの?仕事中?」
「わかると思うけど、私はいま軍事基地の管制室にいて、ここであなたと軍の通信設備で会話するのはとても難しいの。ハングアウトというアプリを使ったことあるかしら?」
「そりゃそうだよね。勤務中だしね。しかも軍事基地で。」
「僕はいつもZOOMを使ってるよ。」
「ごめんなさい、今何を言ったのか?意味がわからないわ。それってアプリのこと?」
「あ~ZOOMね。ハングアウトと同じリモート通信アプリだよ。」
(ハングアウトのインストールリンクが送られてくる)
「Googleのリモート通信アプリだよね?
聞いたことはあるけど使ったことは無いんだ。」
「オッケー!これをダウンロードできる?速くて安全なアプリよ。
このハングアウトアプリで、私たち、会話を続けられるわ。」
「うん、わかった。でも今仕事中だよね?何時からにしようか?」
「私はまだ軍事基地の管制室にいるわ。ここで会話しようと思う。」
「えーっ?基地でそんなことしてたら、僕は米軍に捕まっちゃうよww」
「大丈夫。むしろInstagramを通じて会話する方が無理なの。ハングアウトなら大丈夫だから。」
「ごめん、キミは軍事基地で仕事中の身だよね?そんなときに遊んでちゃいけないと思うよ。」
「わかるわ。任務中ってことが気になるのね?気にしなくていいのよ。ハングアウトアプリは誰にも知られずに会話できるから。」
「・・・(そういう問題か?)」
「管制室で会話できる人は限られてるの。恋人か両親くらいしか話ができないから大丈夫。安心して。」
「・・・」
「気にしなくていいのよ。ハングアウトアプリは安全に会話できるから。」
「・・・」
「管制室で会話できる人は限られてるの。恋人か両親くらいしか話ができないから大丈夫。安心して。」
「・・・(またコメントをリピートしてる)」
「でも両親は遅れてるから、今ならあなたと会話できるわ。」
「言ってることわかる?」
「・・・」
「自由時間のときは、あなたと通信を愉しむことを許されてるの。
何も心配することはないわ。」
「・・・(心配どころか恐怖だよ)」
3日目で怪しさが漂ってきたので、会話を中止しました。
■4日目■■■■■■■■
「ダウンロードは済んだの?」
「・・・」
「どうしたの?終わったの?」
「・・・」
「何してるの?」
「・・・」
4日目でブロックして終話。
というわけで、3日目から怪しさMAXとなったので返信するのをやめ、4日後にブロックして会話が途切れました。
アフガニスタンの首都カブールといえば、アフガニスタン政府と対立するタリバンの紛争地域です。対テロから市民を守るための平和維持活動を続けてきたアメリカ軍は、今年になって米国とタリバンの和平合意により、NATO軍ともども撤退の方向に向かって動いていると聞きます。
彼女のいう任務完了後に日本に行くという話は、この政情の背景にわりと合致しており、あながちウソとも思えませんが、さすがに任務中にリモート通信で知らない外国人と私的な会話を楽しめるほど、軍事基地はセキュリティが甘くはないと思います。
また、もう一人のロマンス詐欺と思われる外国人女性も、シリアに駐留する米軍兵士の看護にあたる看護師だと言いました。同じく、任務完了後は日本に行くつもりとのこと。
偶然にしては共通点が多すぎるためネットで調べてみたら、やはりアメリカ軍関係者を装う「国際ロマンス詐欺」が横行している模様。怪し過ぎるので途中から会話を止めてブロックしましたが、まさか一度に2件も重なってアプローチしてくるとは。
とはいうものの、どちらも途中で会話を中止してしまったので、真実はわかっていません。ただ、体験談に登場する女性の最後の執拗な迫り方は尋常ではなく、ハングアウトを繋いだが最期、ロマンス詐欺の手中に落ちていたのではないかと思われます。
♬ Boy Meets Girl イン~スタのDM きっと誰かを狙ってるぅ~ ♬
♬ Fall In Love ロマ~ンスの詐欺様 この人でしょうかぁ~ ♬
(by 広瀬香美)
最終的にどんな詐欺に遭うのか?それはそれで興味ありますが、どんな危険な目に遭うかわからないので、やめておきました。
SNS詐欺は海外からの魔の手も伸びて来るので、注意しなければなりませんね~。
というわけで、1ヶ月前まで尿酸値のメジャーリーガーだった私に、米軍関係者を装った詐欺が忍び寄ったという米国つながりの面白くもなんともない実話をお伝えしました。
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