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#10 和文様と印伝

和文様と印伝。幾何学的なパターンが好きなんだけど、中でも和紋様が好きです。シンプルな繰り返しのパターンの中に、吉祥の願いや魔除けの意味が込められていたり。
去年は厄除けを願って、アマビエを文様化したものをnoteにアップしたり。

和文様はアラベスクやダマスクのように派手すぎず、線が整理されていて美しい。でも古来から普及している物だし、そこら中で見かけるだけに、実はプロダクト化が難しいと感じています。柄として扱うと平面的で手拭いとかよく見る感じになってしまって、なんかありふれた印象になってしまう。完成度が高いのに安っぽく見えてしまうのが難易度高いなと。

でも、その文様を美しく際立たせた伝統工芸品があります。それが印伝。
400年以上の歴史を持つ甲州の工芸。鹿革に漆で文様をつけたかばんや小物などがあります。
皮のしっとりした表面に艶のある漆が立体的に載っていて、しっとりと艶の対比も美しいし、平面的な文様が立体的に絵付けされているので、質感も高く、目ざわり(目で触ること、詳しくは#7 人は手でも触るが目でも触る)が良すぎで、触らないではいられない。

ほとんど一子相伝で門外不出とされてきたせいか、現在山梨でも印伝を製作してる会社は4社しかないそうで、このあたり静岡の伝統工芸品ともかぶります。静岡の駿河竹千筋細工などももう数社しか残っていませんが、若い職人さんとデザイナーがコラボして、ミラノで商品展示するなど、工芸×デザイナーの可能性はたくさんあって、近年は各地でそういった話題を見聞きします。

印伝もよく見ると文様が柄としてしか扱われていなかったり、ベースとなる小物が自分が使うにはあまりピンとこないデザインだったりして、なかなか購入までいかないというのも正直なところ。もう一ひねり欲しいな。

もちろん若い職人さんが頑張っている所もある。印伝の山本さん。
若い職人さん(社長さん)が、自由な感性で色々なコラボなどを仕掛けていています。

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色も文様のセンスもとても良い。上のモノグラムパターン、写真分かりにくいかもしれないけど富士山も入ってて、かわいい。

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こちらは害獣の鹿を有効利用するプロジェクトブランド「URUSHINASHIKA」のプロダクト。革職人、クリエイティブディレクターの関わった製品は完成度が高すぎで素晴らしい。残念ながら今は売ってないようだけど、取り組みとしても大きな困りごとの解決を図るものなので、再開を願っています。

オリジナルであつらえてくれたりもするようで、僕が個人的に制作している文様があるのだけど、いつかその文様を、自分で型紙を掘ってオリジナルの印伝が作ってもらえたらいいなあ。

ところでカバーの青い写真は一筆箋。実は印伝ではない(笑
七宝つなぎという和文様の上、印伝のような立体的な印刷になっている物で、手触りと文様好きな僕にどストライクでした。
(印伝持ってないから、、)

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