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「人生案内」

50代女性。役所の非正規職員です。そろそろ定年も近い夫が「詩人になる」と言い出しました。夫は長年新聞社で働き、記者、編集の仕事をしてきました。しかし、このところ会社の業績が悪化。昨年は会社が希望退職を募るなどして、窓際の中高年社員を追い出しにかかりました。まだ子供は大学に行っており、定年後も定期収入がないと困るため、夫はその希望退職に手を挙げず、会社にしがみつく道を選びました。定年後は給料は激減するものの、定期収入がある嘱託でいればいいと考えていました。ところが、「詩を書いているんだ。首から『私の詩集買ってください』って札下げて、渋谷あたりで売る。街頭詩人になる」というのです。バカなことを言い出した夫を止めるには、どうしたらよいでしょうか。(東京・Y子)

          ◆

街頭詩人―なつかしい響きです。
1960年代から70年、80年代にかけて新宿あたりでそういう若者を見かけましたね。
え? 今も新宿にいるって?
へぇ~、ちょっと驚きですが。
このネット時代に、なぜ自作の「詩」を手売りしよう…なんて。
私には理解できないんですけど。
でも、ご主人には、きっと何か…、
創造の神が降りて来たんじゃないでしょうか。
「世界を救うのは俺だ」
なんて言ってませんか。
会社には毎日出勤してるんですかね。
在宅ワーク以前に、閑職すぎて、そんないらないことに目が向いたのかもしれません。
詩を書く分には誰に迷惑かけるわけじゃないでしょうが、
路上で手売り…ご近所さんに見られたら、
超恥ずかしくない
ですか?!
ただ、このテの人って
自分が痛い目に遭わないと
目が覚めませんよね。
その意味では、法律違反でもなく、人を傷つけるもんでもないんだし。
静観しておけばいいですよ、
しばらくは。
                  (現代詩作家・マチヤトウコウ)

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