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「誰かが詩の骨を」

詩というもの
言葉のつらなり
そこに 景色と感情が
私の中の 中から漏れだし 零れだし
ぽたぽたと 垂れたものが
シミとなり 残っている

時にそのシミ 平面の広がり
それが ひょんと立ち上がり
形となる

目や鼻はないが
ひとつの肉の塊
それに血が流れ 骨を支えに
次第に しだいに
いや
ぴょんぴょんと
ぐいっぐいっと
立ち上がり 迫ってくる

そんな詩も 時にある
立体化した詩は
誰かに
自分以外の どこかの誰かに
読まれ 感じられるのを 待つ

口のない 口から
大声で
「読んでくれ」

叫んでいる

でも
その詩という 形は
そのまま 朽ちてゆき
風に吹かれ 雨に打たれ
ついには 骨だけとなる

その時
詩の骨を
拾う 私はいない

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