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【自分詩】「4月1日」

思い出す 思い出せ
1985年4月1日――
「社会人」となった その日
39年前のことである
ぼくは23歳(1浪している!)
銀行(地銀)の支店配属が決まっていた
その日は入社式
大卒が80人ほどもいたろうか
1割弱が女子だった
彼女らは大卒でも制服を着ていた
入社式の間に
「ここは絶対に辞めてやる」――
そう誓った
ぼくは こんなところで落ち着かない
高みを目指すのだ と

だがしかし
銀行(地方の商店街の中の支店)の仕事が
自分につとまらないのはすぐに分かった

それでも3カ月 半年
なんとか働いてみた
そのうちに仕事も慣れて ここでいいや と
納得するかも……
そんな考えもあった

夏が過ぎ秋 そして年が明けたころ
到達度をチェックする試験に落第
同期では僕のほかに不合格は1人だけだった
次年度は一年下の者と再受験だ と

最初から落ちてやろうと 勉強もしなかった
辞めると決めていたから
365日在籍し
翌1986年4月1日
自己都合で無職になった
24歳のぼくは リスタートした

先が見えない どうなるか分からない 悩んだ
マスコミを目指し
既卒でも受けられるところを受けて
筆記試験に通っても面接で落とされたり…

8か月後 中途採用で合格 ある新聞社に拾われた
1987年2月 第二新卒として新たな社会人の道を進み
結果 定年すぎまで働いた

あれから どれから?
最初の勤めから数えて39年の年月がたった
2回目の会社勤めで36年6カ月
そこで サラリーマン人生を終えた


2024年4月1日
ぼくは 無職の62歳
仕事のない 裸の老年

さて
今からどうしよう――
昨年夏に会社を辞め はや半年 いや7カ月
目の前にあるのは 白いカンバス
筆には絵具もついていない

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