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「お世話」

そこ! あなたの隣 ぼくの隣に
お世話をしてくれる人がいますか
――お世話って身体介護ですか
介護されるほど 体が衰えてしまったのですか――

いえいえ 体の方は少しガタはきているかもしれませんが
介護だなんて!!
歩けます 食事はできます 嚥下もできます
もちろん排泄も 寝返りも 入浴も
まったく問題なく
ピンシャンしてますよ
介護だなんて20年 いや30年早い
90 いや100まで生きるつもりです
それまでピンピンで
死ぬときは介護だなんてものと無縁のまま
コロリと逝きたいもんです

――はいはい だれもが願いますね
そのピンピンコロリを
それでは 介護のことでなく
お世話と 言っているのは 何のことですか――

何といってよいのでしょうか
ぼくの心に寄り添ってくれる
気持のある人 その存在
ぼくの体に直接 そのぉ…触れてくれるような
その お世話

――それって 介護じゃなく つまりエロチックなスケベなあなたの性欲を満たしてくれるような それをお世話してくれないかっていうことですね――

はいはい そうですね はい
まあ 端的に言ってそうです そうです

――何を遠回しに言っているのですか 単なるスケベ心を満たしてくれる存在がほしいだけの…――

はいはい
そう言ってしまうと身も蓋もないんですけどね(笑)

――はあ…――

だから遠回しの お世話してくんないかなぁ…って 言わせてくださいよ


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