霧が地を這う
夜の道は 車のライトで真っ白だ
スピードは出せない
車も地を這う 速度を落とす
さっきまでジソク６０キロ以上だったのに
もう３０キロも出せない
怖い スピードを上げれない
車を停め
霧が晴れるのを待つか
待つか 進むか
進むか 待つか
考えながら
それでも
白い闇の中を 進む
その恐怖
山の中を行く車は疎ら
とはいえ
いつ前から対向車が来るか
そのとき 自分が 相手が どちらかが
車線をはみ出したら
白い闇の中
なぜ オレは車を走らせるのか
なぜ 車を停めて待とうとしないのか
急ぐ必要はないのに
ただ
白い闇が追ってくる 前からやってくる
その恐怖が
オレを走らせ続けるのだ
