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来ることがわかっている少子高齢化という”超巨大台風”

急速な少子高齢化によって、これからの日本がどれほど厳しい社会になってしまうのか。
このことをちゃんと理解して、厳しい社会に備えようと心がけて行動している人は、とても少ないように思います。

世界のどの国も経験したことのない未曾有の国難が目の前に迫っているというのに!
どこか他人事というか、まぁ何とかなるだろう、といった雰囲気が漂っています。
政府が発信するメッセージからも、いまひとつ危機感が伝わってきません。

例えば、厚生労働省のホームページでは、

65歳以上の人口は、現在3,500万人を超えており、・・(中略)・・75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想されています。
団塊の世代が75歳以上となる2025年(令和7年)以降は、国民の医療や介護の需要が、さらに増加することが見込まれています。
このため、厚生労働省においては、2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。

厚生労働省「地域包括ケアシステム」

そして、財務省のホームページでは、

日本は、他国に類をみない速度で高齢化が進んでいます。今後、高齢化はさらに進展し、2025年にはいわゆる「団塊の世代」の全員が後期高齢者である75歳以上となります。
75歳以上になると、1人当たりの医療や介護の費用は急増することから、持続可能な社会保障制度を作るために残された時間はわずかです。

財務省「社会保障関係費は今後も増えるのか」

どうでしょうか。
医療や介護の需要が増加するから、地域包括ケアシステムを構築しますよ~
時間はないけど、持続可能な社会保障制度を作りますよ~

必要以上に不安を煽らないための配慮は必要、とは思うのですが、
軽く読み流してしまえるほどに、危機感が伝わってこない文章のように感じます。
これを読むと、まぁ厳しそうなのはわかるけど、政府がなんとかしてくれるんじゃないかな、って気持ちになってしまうかも知れません。

しかし、残念ながら、そんな甘い話ではありません
このままだと、私たちは本当に厳しい社会に突入してしまいます。

大型台風が来るという予報が出たら、雨戸を閉めたり、飛ばされそうな物をしまったり、被害がでないようにいろいろ備えますよね。
日本が直面している少子高齢化を台風予報に例えると、次のようになると思われます。

  1. 人類史上最大の超巨大台風が100%の確率で日本全土を直撃するでしょう。

  2. 早ければ2025年にも爆発的な猛威をふるい始め、少なくとも十数年にわたって非常に強い勢力を保ったまま日本列島に居座り続けます

  3. 各地で甚大な被害が生じるものと考えられます。

  4. 回避できる場所はありません。

  5. 少しでも被害を軽減できるよう備えを万全にするしかありません。

  6. 命を守るために、最新の情報に注意して、災害に備えた早めの準備をお願いします

どうですか。
警報級の台風が来ることがわかっているのに、それを知らせる予報がちゃんと発信されていない
この状況はかなり危ういと思いませんか。

例え話を現実に戻しましょう。
これからの社会はどうなってしまうのか。

医療・介護の公的保険サービスは、供給が追い付かなくなって不足が生じると予測されています。
予測なのだから、そうならない可能性もある?
いいえ。これまでの推移を見る限り、不足は生じます、というかすでに不足は生じています。
必要な医療や介護を受けたくても受けられない、という厳しい時代になってしまいます。

さらに、社会保障費も増え続けます
給料から差し引かれる社会保険料なども、いやになるほど上がっていきます。
増え続ける社会保障費に日本の経済が耐えられるかどうかも未知数です。

また、少子高齢化による負の影響を抑えるための切り札として政府が構築を進めているのが、『地域包括ケアシステム』です。
その構築が間に合えばよいのですが、なかなかに難しい状況です。
2025年(令和7年)を目途に、と謳われていますが、負の影響に耐えうるシステムが構築できている地域はまだどこにもありません

危機感を煽るような書き方になってしまい、申し訳ありません。
でも、やはり、危うさに気付いてほしいと思っています。
知ることが、備えることに繋がります。
今からでも私たちにできることはあります
少子高齢化を止めることはできなくても、負の影響を低減させることはできるはずです。

では、私たちにできることは何があるのでしょう。
まずは知ること、知って自分に何ができるかを考えること、そして実践することだと思います。
一人でできることはわずかですが、その広がりと積み重ねが、この難局を乗り切るための大きな力になっていくでしょう。

私は、6年間の介護を終えて、家事と介護のお手伝いサービス「まちともLife」を起業しました。
気軽に頼めるお手伝いサービスを育てることが、①公的サービスの不足を補うための生活支援となり、②社会保障費の抑制にもつながり、③地域包括ケアシステムの土台を築くことに繋がるだろうと考えています。

少子高齢化社会に関する情報なども発信させていただこうと考えています。
困難な時代を乗り切るために知っておきたいことなどを
『知って備える少子高齢化社会 ~私たちに出来ること』というシリーズで連載(無料マガジン)していこうと思います。
政府からの発信や報道記事なども紹介しながら、難しい内容についても、なるべくわかりやすい表現でお伝えできるよう心がけますので、お読みいただけると幸いです。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

みんなの力を合わせて、少子高齢化という困難な時代に立ち向かって参りましょう!

連載の特徴と内容についてへ続きます。

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