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まる福ホームクリニックができるまで

こんにちは。
まる福ホームクリニック院長の菅野です。
荒川区西尾久で小さな診療所をやっています。
今年の6月からです。

少し変わった形で始めることになったので、そのあたりの経緯をよく聞かれることが多いです。
何度も聞かれるにもかかわらず、よく忘れてしまうので、一度きちんとまとめておこうと思います。

クリニックを作ろうと思ったのは多分一年前。
2015年ごろに始めたヘルシータウンクリエイティ部という企画の中ででした。
荒川区で何か始めたい、健康カフェを継続的に無理なくできる場を求めていた私は、地域の公共施設や診療所で行うイベントに疲れていました。
イベントを打っても、集まるのはアンテナを高く意識しているプロ市民のような人ばかりで、いわゆる一般の普通の人たちはなかなか来てもらえませんでした。
土曜の午後や日曜に開催したとしても、集まる数は変わりません。
医療者と市民が対話するような状況はなかなかつくることができませんでした。
他にも地域で開かれた場所をつくる試みがいくつか出てきた頃です。

これはどうしたものだろうと。
もっと街場にそういう場所をつくる必要があると思い、サードプレイスと呼ばれる家と仕事場の中間のような場所について勉強を始めました。例えば、家から近いイギリスでいうバプみたいな場所で、いつも知り合いが出入りしていて、おうと挨拶を交わして世間話をする、その場所に医療者がいるというイメージで。日本だと赤提灯、もしくはスタバもそれっぽい場所です。

診療所がそういう場所になってふらりと寄ることができて、なんでも気軽に話せるようになる、それが理想だなと考えていましたが、自分からそういう場所を持っていないこともわかっていました。生活圏にそういう場所はない。いや、あるか?少し考えてみると、駅前にあるさささカフェという一度だけ行ったことがある喫茶店が思いつきました。近所のバーやパブはどうもおじさん臭が強く、常連になるのが大変な感じもしました。割と友だちづくりが苦手なので、億劫になっていました。

ところが、さささカフェは外と中では大違い、まず、「おかえり!」と出迎えられ、それに面食らいました。これまでのカフェ活動でできなかった平日夜の開催をそこで行おうと決めていましたが、場所を借りることは決めていても集客をどうするかなどいろいろ考えると大変な気もしていました。ただ、店主のさささちゃんが色々話しをしている中で前からイベントをたくさんやっていて、美味しいカフェオレを入れてくれたりしたので、コラボしたら楽チンかつ美味しくできるかもという甘い考えで、カフェの営業時間内でやらせてもらうことになりました。

話が飛びましたが、そのヘルシータウンという活動の仲間と企画を練るうちに、これはもう自分でやるしかないんじゃないかという気持ちが出てきました。当時、相模原に仕事を移していた私はそこでどこまで地域に深く入り込むかと自分の地元である荒川での活動のバランスに悩んでいました。どちらもやりたいけど本腰を入れるならどこかに決めなければいけない、その場所はあるのだろうか…

主にそれを後押ししてくれたのは現職員で理学療法士のサチさんでした。なんといっても地元が東尾久で、静岡で働いていたのを辞めて帰ってくるかもという話があったのです。本当かなあと思いつつ、帰ってくるなら何か出来るかもと、まさか一緒にやってくれるところまで行くとは思いませんでした。
それにこの活動をずっと支援してくださっているエンパブリックの広石さんも、いつ自分の場を持つんですかと問いかけてくれた一人です。もともとヘルシータウンは英国のブロムリマイボウに憧れて始めたものなので、それを実現するという夢も育ちつつありました。これやっちゃっていいのかもと思わせてくれる何か、社会起業家が増える社会が必要な気もしていました。

医療で仕事をしていると沢山の柵を感じながら働くことが普通でした。大きな力から逃れられず、なんとか利益を出しながら非営利を貫き、自分たちの働き方は改善されないまま、ずっと同じ不満を垂れ流している。そんなことが続いています。

そんなわけで、ひとまず自分の場を持つために、まずは辞めてみよう、食い扶持が必要だろうから訪問診療と訪問リハビリという職能を生かしてクリニックという場所を開こうと考えたわけです。まあその辺りは甘かったのかなと思わないでもないですが。

ひとまずクリニックをどうしてつくることになったかということはこんな感じです。

また何か細々と書き起こしていきます。
では!
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