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病院どこにいったらいいの話

こんにちは。
今日は病気の話です。
一言で言うと、皆さんが、体の調子が悪い時どうしていますかと言う話です。

例えば、医者である私は、なんとなく頭が痛いなという時、とりあえず手持ちの頭痛薬を飲みます。なければ、ドラッグストアにいって割とシンプルな名もしれない薬(多分ジェネリック)を買います。間違っても、近所の医者に相談にいくなんてことはありません。
みなさんもきっとそうだと思います。最初から医者に行く人はいない、そのくらい医者に行くのはハードルが高くて面倒臭いことです。子どもの熱などは保育園や学校から行けと言われてしまうので、「小児科」「耳鼻咽喉科」に直行すると思うのですが、それは行く場所がはっきりしているからです。ばくぜんとした症状はどこにいったらいいかわからないのが普通です。医者でもよくわかりません。

私のクリニックは「内科/小児科」を標榜しています。本当はなんでもみますといいたいところですが、日本ではそういった名前をつけることはできません。だから、手にトゲが刺さったぐらいでも「外科」を紹介し、おむつかぶれがありそうだから「皮膚科」に行き、腰が痛い、膝が痛いで「整形外科」を勧められることが多いのです。日本の医師免許は科目を絞っていないので、結構なんでもみれる先生が多くいらっしゃいます。もちろん、内科だとオペはできないし、耳鼻科の先生は眼は診れない、整形外科で皮膚をみるのもおかしいと思うので、そういったかかり方はしないですね。

話を戻して、「頭が痛い」という時にどのくらい痛いかを自分で判断して、どこに行こうかを考えているのが普通です。なんとなくですが、

ちょっと痛い がまんする
結構痛い 薬買ってこようかな
動けないぐらい 今日は会社休んで明日病院行こう
むちゃくちゃ痛い どうしたらいいかわからない、救急車か?

みたいな感じだと想像します。

医者側から言うと、下二つをどこに行くかというのが気になるのですが、はっきりいえば、どれでもクリニックに来てもらっていいと思っています。
国がセルフメディケーションを推奨したりするので、なんとなくテレビでも専門的な病気の話がもてはやされて、病気の名前を知っておきましょうという雰囲気ですが、本来、医者の仕事であって、調子悪い時にそれを思い出せるのかというとどうなんでしょうか。それに、自分で医者を選ぶことは結構難しいと思っています。一度かかってみないとどんな先生かもわからない、すぐ怒る先生なのか、専門以外はみてくれないような先生だったら行く意味もないですし。専門外であってもにこにこ別の病院を紹介してくれるのが本当にいい先生じゃないかと思います。

ネットで氾濫する情報はあっても、それを吟味するには専門的判断が必要です。それぐらいは医者に委ねてもらって、早くに安心を得てもらえるようにするのが、医療の役割なんじゃないでしょうか。まあ最近はAIがどんどん進化していて、もう問診や診断は追い越されそうになっています。でも、この患者さんやばいという直感は人間の方が優れていると思いたい、そう最近は思っています。

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