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考え直すことの大切さが書かれた「THINK AGAIN」を読んだ


< 再考サイクル:謙虚さ→懐疑→好奇心→発見→謙虚さ→・・・>

たまたま聞いたオンラインセミナーで、1人の講師の方が、「心理的安全性」についてこの本が良いと言っていた。400ページ超で少し尻込み。
まずはオーディブルで聞いてみた。再生時間12時間21分!でも倍速で歩きながら走りながらなどスイスイ聞けた。そしてもっとしっかりと読みたいと思いメルカリで本を購入。読みやすかった。


タイトルどおりに、考え直す、再考することの大切さを教えてくれて、ここ数年感じていることが整理された感じ。
・多様性、いろんな考え方がある
・答えは1つじゃない
・聴くことの重要性
・違う意見を受け入れる
・ベストプラクティスではなく、ベタープラクティス
・頭が良いってなんだろう・・・
・考え直す
・心理的安全性
などなど


〇人びとは「牧師」「検察官」「政治家」の思考モードを使い分けている。
・牧師モード:信念がぐらついている時、理想を守り確固としたものにするために説教する。
・検察官モード:他者の論理に矛盾を感じれば、相手の間違いを明らかにするために論拠を並べる。
・政治家モード:多くの人を味方につけたい時に、支持層の是認を獲得するためにキャンペーンやロビー活動を行う。

〇「科学者」の考え方=新たな知識を取り入れ、新たな考え方を見つけていく。(科学者という職業ではなく、考え方の方向)
・科学者モード:説教も不正探しも政治活動も行わない。仮説→実験→結果→検証→仮設→・・・。自分の理解の限界を意識し、試行錯誤から新たな知識を得て決断していく。

優れた戦略家は注意深い科学者のように時間をかけ、臨機応変に考え方を改める。

この本では、考え直すことの大切さを様々な事例を取り上げて解説しているので読みやすい。
・NASAの宇宙遊泳中の溺死寸前事故(!)の事例
・強固な麻疹ワクチン非接種者への対応
・病院でもっとも評判の良かったスタッフの対応
・子どもの力を引き出す教師の繰り返しの方法
・反政府ゲリラと対話をし信頼を得た政府職員
・ヤンキースとレッドソックスのファン心理
・ゲイツ財団での心理的安全性
もっといろいろ出て来ます。

そして、
「頭の回転の良い人ほど考え直すのが難しい」
「白黒をつけるのではなく、グレーゾーンを大切にして物事は複雑であると確認。そこから考え直すことが始められる」
という私が安心できる考え方が示されている。

さらに、
「心理的安全性」があるからこそ、考え直すことができて、新たな考え方が出て来るようになるという大切なことが書かれている。

とても私自身にとって、思っていることを確認できたということと、足りないことが何なのかということが見える本だった。
ぶ厚い本ですが、読みやすいのであまり時間はかからないと思う。

「THINK AGAIN」アダム・グラント著 楠木建監訳 三笠書房

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