カフェや菜園、竹林がある訪問看護ステーション!?「ヨリドコ小野路宿」が描く、新しい地域コミュニティ拠点のかたち
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カフェや菜園、竹林がある訪問看護ステーション!?「ヨリドコ小野路宿」が描く、新しい地域コミュニティ拠点のかたち

地域の方々の健康を支えたい。

そんな想いから、地域医療に力を入れる病院は増えつつあります。

しかし「病院は病気になったら行くところ」というイメージが一般的である今、地域の方々が病院を訪れる頃には、病状がかなり進行してしまっているケースも少なくありません。

また「病院は病気になったら行くところだ」というイメージが引き起こす別の問題もあります。

それは、「病気の人」である患者とそれを「治す人」である医療者という関係性が固定化されてしまうこと。

その関係性のなかでは、「患者さん」ではない「その人らしさ」、つまりその人が普段どんな価値観をもって、どんな人と関わり、何を好んでいるのかが見えづらくなってしまいます。

これで本当に目の前の人が望んでいる医療を提供することはできるのだろうか。まちだ丘の上病院(以下、まちおか)は、そう疑問をもちました。

「病院は病気になったら行くところ」というイメージを打ち壊し、もっと地域に根付いた身近な存在でありたい──。

そんな想いが形になったのが、まちおかが取り組む地域コミュニティ拠点「ヨリドコ小野路宿」です。ここには訪問看護ステーションに加えて、健康をテーマにしたカフェや、菜園、集会所などがあり、地域の方々が日常のなかでいつでもふらっと立ち寄れるような場所を目指しています。

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このコミュニティスペースを創り、支えるのは、看護師・管理者の野田実里、看護師・主任の古賀寛、理学療法士の大関純平です。

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10月に訪問看護ステーションをオープンし新しいチャレンジに奔走する3人は、日々何を感じているのでしょうか。また、始めてみてわかった地域に根づいた病院をつくりあげる大変さとやりがいについて今日はじっくり聞いてみたいと思います。(聞き手は人事課長 加納)

海外で医療支援に従事、帰国後にまちおかのミッションを知り参画を決めた(スタッフ紹介:野田)

──ヨリドコの魅力の一つは個性豊かなスタッフだと思っています。そこで、まずはスタッフの紹介からしていきたいな、と。野田さんから自己紹介をお願いできますか?

野田:看護師の野田です。責任者として訪問看護ステーションの運営管理や地域コミュニティ活性化のための取り組みを行っています。

──野田さんは看護師になってからどのくらいたつんでしたっけ?

今年で6年目になります。もともと聖路加国際病院というところで3年ほど働いており、その後NPOジャパンハートという団体に所属してミャンマーやカンボジアなどで医療支援に従事していました。

──もともとは地域医療とは違う領域で活動をされていたのですね。野田さんが、この領域に飛び込んだのは、何かきっかけがあったのでしょうか。

海外から日本に帰ってきたタイミングで、理事長の藤井さんと知り合ったんです。そこで、まちおかの目指す「地域を支える、地域に根付いた病院」のミッションや、ヨリドコの構想を聞きました。

(※まちおかの目指す病院像については院長の小森將史のこちらのインタビュー記事もご覧ください)

病院がヨリドコのような地域コミュニティの拠点となる場所を運営しているケースはとても珍しいですよね。直感的に「まちおかは新しい医療の形をつくろうとチャレンジする組織なんだ」と思ったんです。

それがとても魅力的に感じたので、参画を決めました。

──どのあたりが魅力的だと感じたのでしょうか?

「地域を支える、地域に根付いた病院」というミッションが事業方針にしっかりと落とし込まれているところはその一つですね。

例えば、ヨリドコの訪問看護事業をとってみても、ミッションの達成を目指して本質的な運営をしようとしていると感じられたんです。

通常の訪問看護事業所では「一ヶ月の訪問数」のような短期的な目標に視点がいってしまうことも少なくありません。それは「訪問をして売上をあげること」が運営目的になっているからです。

でも、ヨリドコの訪問看護ステーションの運営方針は違います。「地域の人の暮らしを支える保健室のような身近な存在でありたい」という大きなミッションがあり、「訪問して看護すること」はその一つの手段だという捉え方をしている。

家に行って訪問看護をする本来の訪問看護業務だけではなく、地域の方々がヨリドコに気軽に立ち寄りたくなるような魅力的な場所を作ること。そして立ち寄った方々と顔の見える関係性を築き、ちょっとした変化に気づいたり、介護状態に陥らないようにアドバイスしたりすることも重要な仕事になると考えています。

こんなふうに目指すミッションや提供したい本質的な価値をぶらさずに事業に打ち込める環境が、とても魅力的だなと感じました。

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NPOの立ち上げ・地域コミュニティ運営経験を活かし、ヨリドコの立ち上げに参画(スタッフ紹介:古賀)

──次は、古賀さんです。看護師である古賀さんはNPOの立ち上げ経験もあり、これまでも地域コミュニティづくりの分野でも活躍されてきました。古賀さん、自己紹介をお願いしてもいいですか?

古賀:看護師として、20年ほど訪問看護や障がいがある方の看護に携わってきました。平成18年からは、保護者が気軽に子どもを預けられる居場所を運営する一般社団法人「保育サポーター はちっ子」を立ち上げました。

小さな子どもをもつ保護者が孤立すると、保護者自身が心身の調子を崩したり、子どもへの虐待につながってしまったりするケースもあります。それを防ぐためにも、地域全体で子育てをサポートしたいと始めたのがはちっ子です。

預かり事業だけでなく、保育サポーターの育成事業など、その時々で地域にとって必要だと思った事業に取り組んできました。

──古賀さんがヨリドコの立ち上げに加わろうと思ったのは、なぜだったのでしょうか?

古賀:まちおかが本気で「地域包括ケアを実現したい」というスタンスを持っていると感じたからですかね。

当たり前ですが、地域包括ケアって一つの病院だけでは実現できないんですよね。病院の外のさまざまな施設や団体が連携しあってこそ、地域の人たちを包括的に支えていける。ただ、私もNPOを運営しているからわかるのですが、その仕組みを地域のなかにつくっていくのは簡単なことではありません。

そんななかでまちおかは、ヨリドコという地域コミュニティ拠点を軸に、他の施設や団体と連携して地域包括ケアに熱心に取り組もうとしていた。採算のことだけ考えていたら、とてもできないことだな、と。

本気で「地域を支える、地域に根付いた病院」を実現したいという想いが感じられたので、一緒にやっていきたいと参画を決めました。

理学療法士、介護付き旅行会社の立ち上げを経験。次の新たなチャレンジをしたいとヨリドコへ(スタッフ紹介:大関)

──最後に紹介するのが、理学療法士の大関さんです。

大関:はじめまして。理学療法士として利用者さまのリハビリテーションを行っております。ヨリドコとしては、竹林の整備などを担当しています。

回復期リハビリテーション病院で4年間勤め、その後、介護が必要な方のための旅行会社の立ち上げに参画しました。

介護度の高い方が移動をする際には、バリアフリー対応のホテル予約や移動手段の手配などが必要になります。そのような事前のプランニングや、移動介助を専門性をもってサポートする旅行会社を運営していました。

まちおかを知ったのは、旅行会社を退職し、スウェーデンのサービス会社で1年ほど働いて日本に帰ってきたタイミングでしたね。

──何をきっかけにまちおかを知ったんですか?

知り合いが「面白い病院があるよ」って教えてくれたんです。

それで、まちおかが発信している過去のnoteを見てみたら「新しいことにどんどんチャレンジしている病院なんだな」という印象をもって。

noteで情報発信している病院はまだまだ少ないですし、それができるのは明確なミッションや発信する目的・内容があるからだと思ったんです。

──そこから徐々に興味をもっていった、と。

そうですね。まちおかが掲げる理念に惹かれたのはもちろんですが、ヨリドコという環境もものすごく魅力的でした。竹林に囲まれていて、カフェも併設している訪問看護ステーションなんて、なかなかないじゃないですか(笑)。

──たしかに(笑)。

他の訪問看護ステーションにはない特色を生かせば、もっと色々な価値を地域の人に還元していけるはず。今までにない面白い取り組みができそうだとチャレンジ精神をかきたてられて、参画しようと決めました。

地域の方々の「得意」を生かし「やりたい」を実現する場所にしたい

──10月にはヨリドコの訪問看護ステーションがオープンしました。まだオープンから2ヶ月ほどですが、すでに地域の方と一緒にいろいろな取り組みがはじまっているそうですね。

大関:そうなんです。例えば、地域密着型通所介護事業所で利用者の方の地域活動への参加をサポートする「サロンひまわり」さんや、認知症の方が役割持って働くことをサポートする地域密着型通所介護事業所「DAYS BLG! 」さんと取り組みを始めました。

──具体的にどんな取り組みを?

大関:ヨリドコにある竹林の有効活用に向けた取り組みです。ヨリドコのスタッフが竹林で草刈りや剪定をしていたら、たまたまサロンひまわりの方々が通りかかって。サロンひまわりの方々は、元々町田市の竹林を使って、竹林整備をしていたので、ヨリドコの竹林整備についてもお力をお借りできないかとお願いをして。

それをきっかけに、一緒にヨリドコの竹林の整備や活用に取り組んでいただけることになりました。そこにDAYS BLG!の若年認知症の方々も加わってくださったかたちです。

認知症の方や障がいのある方が役割をもって地域活動に参加していただくこと自体がケアやリハビリにつながりますし、整備が進めば他の地域の方々と一緒にたけのこをとるといった活動にも広がっていくのではないかな、と。

結果として認知症の方や障がいのある方の地域参加のきっかけとなり、日々のやりがいにつながっていったらいいなと思っています。

──ヨリドコには竹林だけでなく、菜園やカフェ、キッチンスペース、集会所など様々な場があります。そこをうまく活用して地域の方々がつながるハブのような場所になっていけたらいいですよね。

野田:そうですよね。ヨリドコは地域の方々が「得意」や「やりたい」を持ち寄って色々なチャレンジができる場、そしてそこからまた新しい取り組みがどんどん生まれていくような場にしたいんですよね。

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例えば料理が好きな方や得意な方はカフェで一日店長にチャレンジしていただいたり、農家を営まれている方に菜園を活用していただいたり。

──それは楽しそうですね!

大切にしたいのは、ヨリドコのスタッフが機会を全てお膳立てするのではなく、地域の方々と「一緒に」つくりあげていくことです。

そのためにも、その人が心から「やりたい」「好きだ」と思っていることから、取り組みが生まれていく循環をつくりたいなと思っています。

目の前のその人が持っている思いや可能性を見逃さずに、一緒に形にしていけたらいいですね。

ついにヨリドコがオープン。はじめてみて分かった大変さは?

──10月に訪問看護ステーションがオープンしましたが、実際にはじめてみると難しさもあると思います。今、特に大変だと感じていることはありますか?

野田:訪問看護事業だけでなく、地域コミュニティ活動も一緒にできることがヨリドコの魅力だと思います。でも、今そのふたつのバランスのとり方に少し難しさを感じていますね。

──バランスのとり方というと……?

野田:訪問看護だけを行っている事業所であれば、そこに100%に注力することができます。でも、ヨリドコとしては地域コミュニティ活動にも力を入れていきたい。時間は限られているなかで、そのバランスをどうとっていくのかは管理者として考えたいところだなと思っているんです。

古賀:やりたいことに対して、まだまだスタッフが足りていないことが課題かもしれませんね(笑)。新しいスタッフがもっと増えてくれたら、両方全力で取り組めるようになりますし、これまで温めてきたいくつかのアイデアも実現しやすくなって、面白いことができそうだなと感じています。

──なるほど。ほかに難しさを感じている点はありますか?

野田:家族の面倒は家族がみるもの、という文化やその価値観のなかで訪問看護サービスを提供していったり、地域全体で支えるというアイデアを知っていただくことには少しハードルがあるなと感じています。

──たしかに地域コミュニティづくりを実際に実践していくにあたっては、地域にすでにある価値観とどう向き合っていくかがポイントになりそうですね。

野田:そうですね。もともとある価値観やつながりを否定したいわけではないですし。とはいえ、高齢化も進んでいて一つの家族だけで、介護や看護を担うのは難しくなりつつあります。私たちのような事業者が入っていくことで、少しずつ価値観や雰囲気を変えていけたらいいな、と。

地域の人たちと病院、その他の機関がつながりあって、みんなで支えていけるような関係性を地域のなかにつくっていきたいですね。

ミッションに共感し、0から一緒にヨリドコを創り上げてくれる方と働きたい

──これからまた新たなスタッフがどんどんヨリドコに参画してくれると思います。どんな人が向いているか、またどんな人と一緒に働きたいかについて最後に教えて下さい。

大関:決まりきったことをやるスタイルの職場ではないので、自分ができることややりたいことを主体的に探して行動にうつしていけるような人があっているかなと思います。

0から自分で考えてつくりあげていくことに楽しさを感じられるような人にとっては、きっと面白い環境になるかな、と。

古賀:ヨリドコは地域コミュニティの拠点でありたいとは思っていますが、地域の方々のニーズを全部ヨリドコが叶える必要はないと思っているんですよね。

適切に地域のNPOや行政など他の機関をつなぎ、地域の方々のニーズを叶えていくハブのような存在になっていきたいなと思っています。

目の前の患者さんに寄り添うのはもちろんですが、そうした将来像を見据えて地域全体をつないでいくコーディネーターのような役割に興味がある方にぜひ来ていただけたらと思います。

野田:あとは、理念にまっすぐ向かっていける人と働けたら嬉しいですよね。

最後に少し個人的な話になってしまうのですが、毎朝通勤路で草をむしっているおじいちゃんがいるんですね。その方は私が通勤で通りかかると「おはよう」って声をかけてくれて。時には、跳ね上がって手をふってくれたりするんですよね。それがとっても嬉しくて。

そういう「今日あの人元気かな」と想いあえるようなあたたかいつながりをもっと地域のなかにつくっていきたい。

そんなつながりのハブとなるようなヨリドコを一緒に作ってくださる方とぜひ一緒に働けたらなと思います。

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ヨリドコでは、一緒に働くスタッフを募集しています。もし、ここまで読んでヨリドコで働くことに興味をもってくださったかたは、ぜひこちらの募集要項をご覧ください。

ミッションに共感して熱い思いを持って働いてくださる方、そして訪問看護の経験がある方などの募集をお待ちしております!

また、「転職までは考えてないけど、少し気になる」「気にはなるけど、平日は仕事の休みが取れなくて」といった方のために、オンライン説明会も用意しております。ちょっとでも興味をもっていただいた方は、以下のフォームからお問い合わせください。





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東京都町田駅から車で約15分。小野路町にある小さな療養型病院です。自然豊かな地で「あたたかな医療」、「共に歩む医療」、「確かな医療」を目指しています。2020年10月にカフェ、イベントスペースが併設した複合型訪問看護ステーション、「ヨリドコ」をOPENします。