街の樹

「まちのき」と読みます。 綺麗なものが好きです。 言葉も同じくらい好きなので、感じたことをちまちま書いていきたいと思います。 演劇/美術館/歴史/猫🐈

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最近の記事

自由な嘘で生きていきたいー「輪るピングドラム展」から感じたアレコレ

「輪るピングドラム展~運命の至る場所~」に行ってきたので、備忘録を。 「輪るピングドラム」について 入り口に書かれていた、 「彼らが生きている」 という幾原監督の言葉が頭に残っている。 それは単純に、アニメのキャラクターがアニメだけでなく現実でも生きているとか、描かれなくても物語は続いているとか、ましてや「君の心の中で生きている」とか、そういうのではないと思う。 生命活動としての生死、人間存在としての生死を取り巻くこの物語において、「生きている」というのはもっともっ

    • 「これだけで、写真が撮れる」

      出先で出会ったのは、赤茶けた「写ルンです」の看板だった。 ファーストカメラ 周りの木々が覆いかかり、もはや誰の気にも留まらない存在になってしまったその看板は役割をすっかり失っている。その姿に、勝手なノスタルジーを感じる。平成中期生まれのくせに、生意気にも。 私が「写ルンです」を使ったのは人生で一度きり。 小学校の修学旅行だった。 田舎育ちの小学生が、333mの塔を見せられて興奮しないわけない。噂に聞く白黒の人気者に惹かれないわけない。夢中になって、あちこちカメラに収め

      • ロロ『ロマンティックコメディ』を観て

        “ロロ”というキャッチーな名前を見て、昔の記憶が蘇った。 大学生1年か2年の頃、同じ大学の劇団がロロの脚本を上演していた。 ただそれだけの僅かな繋がりだけれど、今回観てみて「これは良い繋がりだったな」と思わされた。 初めて観る劇団なんだけど、初めてじゃない、変な感覚。 ねえ、ねえ 登場人物の少し風変わりな名前が良い。 「あさって」、「となり」、「遠足」、いずれも素敵だ。 「寧(ねい)」はずっと「ねえ」だと思っていた。話しかける感嘆詞が名前なんて、「ねえ、ねえ」になっち

        • 椅子に座り続けるために、断片を

          帰り道、すっかり散った桜の木の前で今日観た芝居のことを振り返った 書き留めておきたいと思うほど、自分には鑑賞者として実力があるとは思えないけれど。それでも受け取ったものをうやむやにしたくないな、という考えからnoteを始めることにした。 東京の狭い一室にぽつんと住んでる、会社員。 大学の頃、少し演劇をしていた。「何が好き?趣味は?」と聞かれたら「演劇」と答えるくらい、少し演劇をしていた。 新しい環境に慣れてなくて、不安になる。 職場の椅子はなんだかごわごわして落ち着かな