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AIイラストジェネレーターがすごいので、作ったプラモやフィギュアの写真を食わせてみたら面白かった。【第1話】

 様々な分野で話題を振りまいているAIですが、特に視覚に訴えるものでもあり、制作に技術と、それを身に着けるために膨大な試行錯誤と訓練が必要なものである「イラスト」を生成するAIは特に話題をさらっていますね。曰く、プロのイラストレーターからさえも仕事を奪うのではないか…と。

 確かに、AIが生成したイラストを見ていると、いずれ劣らぬ美麗な作品が並び、驚かされるばかりです。で、試しに自分も作ってみようかなと思い、ここ最近作ったプラモデルやフィギュアの写真をAIに読み込ませたらどんな画像が出てくるのかしら…ということで、やってみました。

「Beautyplus」のAIイラストレーター機能を使ってみる

 イラスト生成AIもたくさんあるので、とりあえずググってみておススメされた無料の物で、かつ、プラモデルやフィギュアと相性の良さそうな=アニメイラスト風の出力が得意そうなものを探してみて見つかった「Beautyplus」というアプリを使ってみます。

 このアプリに実装された「AIイラストレーター」に、どんどん写真を食わせて(=入れ込んで)みようと思います。

まずはスタンダードなアニメキャラのフィギュアから

 初めにAIに食わせた写真は、こちらのフィギュア。

 おなじみの大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレーのプライズ用フィギュアをブックオフで買ってきて、リペイントしたものになります。今から1年半くらい前に、フィギュアのリペイントなど模型塗装の練習を始めたころに塗ったもので、クオリティはだいぶ低い、アイペイントもあまり可愛く描けていない、今見返すとちょっと恥ずかしい感じの出来ではあります。しかも背景は散らかった作業机の上で、全く整っていないのですが、これをAIに食わせると…


 なんかすんごい美少女が吐き出されてきました。工具と塗料で散らかった作業机はまるで「片づけられない女の部屋」のようにAIによってアレンジされ、きっちり1枚のイラストとして成立しています。初手からかなり驚きました…。手指の部分はどうしても現状はAIイラストジェネレーターの不得意とする分野なので造形がモヤッとしていますが、登場初期に話題になったような「10本指でラーメンを鷲掴みにして食べる」みたいな状態からは大きく進歩しているようです。

人型ロボットプラモも美少女に!

 このAIは、画像から顔や体を認識してイラストを生成するので、他のフィギュアでもいくつか試してみましたがしっかりとイラストが出力されました。では、人の形をしているけれど人そのものの形ではない、ロボットのプラモデルならばどうでしょうか。

 次にAIに食わせたのは、ゲーム『サクラ大戦』シリーズの主人公、真宮寺さくらが登場する人型メカ「光武」のプラモデル写真です。


 このプラモはエアブラシとファレホ(スペイン製の水性塗料)の扱いにも慣れてきたころに作ったもので、特に汚しなどはせずに基本に忠実に作りました。面白味はないと思いますが、丁寧にはできていると思います。これを、100均で買った木製小物入れをひっくり返したものを土台にして、青背景で撮影した写真をAIに投入してみると…

 なんとビックリ。元はずんぐりしたフォルムの「光武」をしっかりと美少女化してくれました。土台と背景は、魔法の絨毯と星空に読み替えられ、AIが「世界観」を考えて出力していることが分かります。元がスチームパンク作品とは思いもつかないファンタジックな絵柄になりましたが、服の裾に作品名、主人公の名前にも入っている「桜」っぽいモチーフが取り込まれているのも驚きです。さすがに偶然とは思いますが、AIの思考深度が想像以上に深いところまで来ていることを思わされます。

 続けて、さらにずんぐりした二足歩行メカ「マシーネンクリーガー」のファイヤーボールではどうなるか試してみましたが、

またしても汚い作業机のうえで撮影


 これもしっかりと美少女イラストになりました。

プラモに謎ポーズをつけたらどうなる?

 人型=二足歩行のフォルムをしていれば、しっかりと美少女に仕上げてくれることはここまででわかりましたが、では、ロボットプラモにおよそ美少女とは似つかわしくないポージングやシチュエーションの写真を食わせたらどうなるか…。

 ご登場いただくのは2023年4月より第2シーズンが放映開始となる『機動戦士ガンダム 水星の魔女』より、主人公メカ・ガンダムエアリアルにご登場いただきます。

 かつてのガンプラからは考えられない可動域と関節ジョイントの保持力に感動し、「やべえ、ガンプラなのに貴乃花みたいな四股踏めるじゃん!」と、妙なテンションになって撮った写真(例によって汚い作業机)をAIに食わせたら、


 …新しい『○○のアトリエ』のキービジュアルでしょうか?ファンタジーRPG風の美少女が生成されました。雑多に積まれた工具や接着剤は中世風の本や器・雑貨類に変換され、まるで魔法使い化錬金術師の研究部屋、といったような趣きです。「Beautyplus」は、イラスト生成にあたり画風や世界観のリクエストを入れ込むことはできないのですが(2023年4月初頭現在公開中のベータ版では)、この後に出てくるイラストを含め総じてファンタジー調のイラストを出力します。おそらく、読み込ませているモデルの造形によるものとは思いますが、AIごとにこういった個性があるのも面白いところといえるでしょう。

 続いて、ガンダムエアリアルに加え、同作品に登場する訓練機「デミトレーナー」と、航空支援機「ティックバラン」にもご登場いただき、こんなわけのわからんシチュエーションの写真を撮ってみました。


うるせえ、ティックバランぶつけんぞ!!

 もちろんこんなシーン、作品本編にはないですし、そもそも自分は何でこんなシチュエーションを思い立ったのでしょうか。謎です。ともあれ、AIに食わせてみます。


 はい、なぜか全モデル併せて1人の美少女として認識されました。これまでのイラストと違い、あおむけに寝そべった新しいポージングのイラストが出力されましたが、しっかりと破綻せずに一枚の絵として完成しています。

 AIの、とくに「解釈」における志向の深度と解像度には、ただただ驚かされるばかりです。

【次回】人型以外のモデルではどうなる??ほか

 ここまでで、「Beauty plus」が非常に高いクオリティの美少女イラストを出力してくれることはわかりましたが、それでは人型以外のモデルを読み込ませたらどうなるのか、例えば、動物や乗り物などの画像よ読みこませたら…といったことを、次回試してみたいと思います。これもまた驚きの結果が出ましたので、ぜひお楽しみに。

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