machino_kumasan

なんとなく思いついたまま物語めいたものを書きます 抑揚がなく、たいしたオチもない退屈な…

machino_kumasan

なんとなく思いついたまま物語めいたものを書きます 抑揚がなく、たいしたオチもない退屈な物語です

最近の記事

『ママチャリでゆく』

川沿いの道を十分程度、走る。 早朝はお年寄りがランニングをしていたり。 霜が降りていてタイヤで踏みしめるとシャリシャリと鳴る。空気がシンと覚めていて顔に当たる風も心地良い。暖房で部屋を温め過ぎていたからよけいに。 コンビニに着く。あったかいお茶とおにぎり二個、鮭とチーズおかかを買う。 土曜のこの時間に来るとほぼ間違いなく、あの店員さんがいる。ショートカットの大人っぽい女性。身長は僕より少し低いくらい、細身で少しだけ化粧が濃い。たぶん、化粧をしなくても十分きれいなんだと思うん

    • 『結婚祝い』

      休日、知らない街で安い酒場を飲み歩くのが好きだ。その街に銭湯かサウナがあればなお最高だ。 ひとりぼっちで、ただひたすら酒とつまみを楽しむ日もあれば隣に居合わせた方と雑談に興じることもある。 その日は後者で年の頃は僕とそう変わらずに僕より清潔感のある男性とふとしたきっかけで話しはじめた。 その方も僕と同じくひとりでの飲み歩きが好きということで話が合い独身貴族同士気が合いそうだなぁと嬉しい気持ちでいたのだけれど 「僕、もうすぐ結婚するんです」 なにやら結婚相談所に登録していて、

      • 『新しい先生』

        これを食べ終わるまで、お昼休みに行けない。 目の前のピーマンの肉詰めを見つめながら思う。 まだ給食の時間はたくさんある、55分までに食べればいいんだ あんまり好きじゃない牛乳もちゃんと飲んだし、ピーマンの中に詰まってたお肉もピーマンの味がうつっててウゲってなったけどちゃんと食べた。 だけどピーマンだけはどうしても食べられない。 気づいたら時計の長い針は10を指してる。 あと5分しかない… あと5分したら、みんなお昼休みに行っちゃう 〇〇君もピーマン食べられないのに全

      『ママチャリでゆく』