“ありがとう”の循環で、濃いつながりに。鎌倉ビールがめざす、思いやりのあるまちづくり
まちのコインの想いに共感して参加してくれている「加盟スポット」さん。
いつも人とまちのあいだに立ち、つながりづくりの最前線にいるからこそ、まちの人とのエピソードやお店づくり、まちづくりへの想いがきっとあるはず。
note連載「スポットさんとまちのコイン」では、そんなすてきなスポットの想いや魅力をお届けしています。
第2回目となる今回は、鎌倉市唯一のビール醸造所でクラフトビールを製造・販売する、鎌倉ビール醸造株式会社さんにおじゃましました。2019年に鎌倉で行われた実証実験からスポットとして登録してくださっています。
2年間のスポット登録を経た今、まちのコインをどう活用しているのかお話をお伺いしました。
まちのスナックで生まれた“ありがとう”の循環
ーー鎌倉ビールさんは2019年の鎌倉で行われた実証実験中からスポットとして登録してくださっていますが、この2年間で使い方は変わりましたか?
ちょうど新型コロナウイルスの感染者数が多かったときは、スタンプラリーで鎌倉をめぐるついでに鎌倉ビールの工場まで足を運んでくれる人が多かったんです。
きっと人混みを避けながらも身体を動かすために、クルッポを集めていたのだと思います。
▼工場へエコバッグを持ってビールを買いに来てくれたらクルッポget!
ほかにも県外の方で、月に一度鎌倉に用事があるタイミングでクルッポを貯めている方もいました。移動が憚られるようになっても「鎌倉とつながっていられるのが嬉しい」と仰っていたのが印象に残っています。
ーーコロナ禍を経て、今いちばん人気の体験はどれでしょうか?
9月9日にオープンした「まちのスナック」の体験が一番人気ですね。
じつは開店準備の際に私が鎌倉ビールのドリンクメニューを作ったときに、この体験も作ってQRコードを載せてみたんです。
そうしたらママがお客さんとの会話に出してくれたり、お客さんが自ら気がついて登録してくれたりと楽しんでくれる方が多いみたいで。
ーーお酒を嗜みながら、ゲーム感覚で楽しんでくださっているんですね。
今までは鎌倉ビールを選んでくれた方にお礼をするツールがなかったんです。
まちのスナックなら直接会えなくてもまちのコインで「ありがとう」の気持ちを込めたクルッポを贈れて、そのクルッポを鎌倉の違うスポットで使ってもらえる。このひとつの循環が生まれて、すごく嬉しいですね。
まちのコインが、私たち鎌倉ビールとお客さんをつなげてくれているというか。
ーーなんていいお話……ありがとうございます!まちのコインがまさにつながりづくりに役立っていると聞いて嬉しいです。
▼まちのスナック
まちのコインを、コアなファンと濃くつながる場所に
ーー鎌倉ビールさんでは他にもSNSを活用されていますが、まちのコインと比べてどんな違いがありますか?
コミュニケーションの取り方ですね。InstagramやTwitterはいろんなお客さんが自ら発信してくれた投稿をリポストやリツイートすることでコミュニケーションを図るもの。
一方で鎌倉に住んでいる方や鎌倉のまちが大好きな方が使っているまちのコインは、顔は見えないけれど密なコミュニケーションができるものですね。
まちのコインの数多くのスポットの中から鎌倉ビールを見つけ出してくれているので、すごく熱量の高いファンなのかな、と思っています。
ーーファンの方との密なコミュニケーションができる場所なんですね。
先日も積極的にコミュニケーションを取ってみようと思って、これまでに鎌倉ビールの体験をしてくれた方全員に30クルッポずつ贈ってみたんです。「ばらまき機能」を使って。
そうしたらお返しに応援メッセージをくださる方もいて……嬉しかったですね。
まちのコインをもっと活用すれば、コアなファンとの濃いつながりができるんじゃないかなと思っているところです。
ーーじつは私もクルッポを贈ってもらった側でして(笑)。思いがけないプレゼントで、かなり嬉しかったです。「鎌倉ビールさんからだ!」って。
ちょうど今もアップサイクルに使えないかなと思っている包装紙の切れ端があるのですが、アイデアが浮かばなくて……。
こういったものもアイデア募集してみたり、イベントで使ってみたり……ほかにもできることありそうですよね。新しい体験を作ってどんどんチャレンジしていきたいです。
鎌倉がほんとうに好きな人たちなら、思いやりのあるまちづくりができると信じて
ーー最後に、まちのコインを活用して鎌倉をどんなまちにしていきたいか教えてください。
企業としては、まちのコインを通じて鎌倉ビールを飲んでくださる方とさらに密なコミュニケーションを図っていきたいなと思っています。
そのなかで鎌倉の新しい一面やさらなる魅力を知って、鎌倉のまちが好きだと思ってくれる人が増えてほしいです。
鎌倉在住ではない人にとって今住んでいるまちには及ばなくても、ほんとうに鎌倉のことが好きになってくれたらまちへの思いやりが生まれるはず。
ゴミをポイ捨てしないとか、ね。鎌倉で問題になっている休日の渋滞も、できる限り環境に優しい公共交通機関でいこうって発想になるかもしれません。
まちのコインをうまく使って、みんなでにっこりできるシーンが増えたら嬉しいですよね。
【取材後記】
ちょうど取材当日は、オーストラリアから日本に移住して鎌倉ビールの醸造担当スタッフになったウイリアムさんが、はじめて自分が設計したレシピでビール作りに着手する記念すべき日だったそう。
取材終わりに醸造所をのぞいてみたところ、醸造設備から湯気がもくもくと上がるなか、丁寧に、真剣に仕込みをしているウイリアムさんの姿が……! ビールを育てる熱き姿に、鎌倉ビールが全国で愛される理由を知ったのでした。
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