まちの熱い想いに感化されて。三条市地域おこし協力隊が築いた1年の軌跡【運営団体インタビュー】
まちのコイン運営団体のインタビュー連載「#まちのコインでつくりたい未来」。今回は、まちのコイン燕三条エリアの運営団体メンバーの今井瞳さん(写真左)をご紹介します。
新潟県新潟市で生まれ育ち、三条市の印刷会社に勤めていた今井さんは、昨年2022年に株式会社MGNETへの入社と同時に、三条市地域おこし協力隊に着任。6月に燕三条エリアで導入が開始したまちのコインの旗振り役として、まちづくりに取り組んでいます。
今井さんがまちのコインの運営メンバーとして、地域おこし協力隊として活動してきた、この1年間を振り返っていただきました。
もともと働いていた三条市で地域おこし協力隊に応募した理由
ーー今井さんはもともと三条市の印刷会社に勤めていたんですよね。なぜ地域おこし協力隊に応募されたのでしょうか?
じつは最初から地域おこし協力隊を目指していたわけではないんです。
もともとは現在所属している株式会社MGNETのことが気になっていて、そこでまちづくり事業のメンバーとして募集していた地域おこし協力隊に応募しました。
ーー企業所属型の地域おこし協力隊なんですね。
そうなんです。三条市は地域おこし協力隊の募集地域として少し特徴的なんですよね。
通常は自治体の一員として活動する地域が一般的ですが、三条市は任期が終了したあとのキャリアも踏まえ、企業やNPO団体に所属しながら様々なノウハウを学びながら活動することができるんです。
なので、MGNET以外にも三条市の企業や団体に所属しながら地域おこし協力隊として活動されている方は他にもたくさんいらっしゃいますよ。
ーー今井さんはどんなきっかけでMGNETと出会ったのでしょうか?
燕三条地域で開催されている「工場の祭典」に数年前参加したときです。
MGNETが運営するセレクトショップ「FACTORY FRONT」のワークショップに参加したのですが、その空間がすごく洗練されていて。「こんな場所が燕三条にあったなんて」とびっくりしました。
まちへの想いが、少しずつ育ってきた
ーー少し話は戻りますが、そもそもまちのコインが燕三条で導入された背景にはどのような課題があったのでしょうか?
大きく分けて2つあります。
1つ目は、 産業観光振興を妨げる二次交通の“移動”を新たな“顧客体験”につなげること。
もともと燕市、三条市の2市にわたる燕三条エリアを横断するバスや電車がないため、各観光拠点がそれぞれ分散してしまっています。そのため観光に訪れた方が目的地に足を運んですぐに帰ってしまう、という課題がありました。
そこでまちのコインの体験を活用し、点と点だったスポットを線にすることで、燕三条エリアの魅力を知っていただけるのではないかと考えていました。
2つ目は「ものづくり」の担い手を増やすこと。
燕三条はものづくりのまちとして有名な一方で、これからの担い手になりうる若年層やお子さんが気軽にものづくりの文化に触れられる機会が少ないという課題がありました。
そこでまちのコインを通して、燕三条の人やものづくりの魅力に気軽に関わる機会をつくることで、担い手の創出につなげたいと考えていました。
ーー立ち上げにあたって、大変だったことはありますか?
最初はめたるが使える加盟店を増やすため、とにかくお店や会社を回りました。MGNETに関心を持ってくださっている会社も多いので、そのつながりからも少しずつ開拓していきましたね。
地域おこし協力隊の方が起業して運営されているお店もありますし、まちの方も新しい人やコトに対してウェルカムなので「まちのコイン」を応援してくださる方が多かった印象です。
ーーまちのコインの運営団体になってからまちの印象は変わりましたか?
以前はあくまで「勤務地」という印象で、ほとんどが家と会社の往復。お昼の休憩時に少しまちを歩く程度なので、正直なところ愛着があったわけではなかったと思います。
でも、それからまちのコインの運営団体として活動するうちに、地域の人たちが熱い想いをもって活動されているのを見て感化されたというか。
このまちには挑戦を楽しむ、面白い大人がすごく多いんです。そんな方々と、一緒に未来に役立つことをやっていきたいという想いが、徐々に育ってきたのかもしれません。
ーー23年2月からは、三条市に新しくオープンした複合交流拠点「三-Me.(ミー)」をめたるの活動拠点としても活用しているんですよね。
これまではイベント出店がメインだったのですが、拠点を構えることで「もったいないマーケット」やチェックインスポットを常設できるようになったのは大きな変化でした。
「三-Me.」で作業しているときは散歩ついでに立ち寄ってくれた方にお声がけして、めたるについて生の声を聞くようにしています。
実際にお話しする中でうれしかったのが「まちのコインがあるからお散歩するようになった。今まで入らなかったお店にも入るようになった」というお声です。
後日、その方が「三-Me.」へチェックインに来られた際に「三-Me.」にいた他の人と座ってお話ししている姿を見て、めたるをきっかけにそれぞれの場所で新たな交流が生まれているのだな、と実感したことがあります。
「三-Me.」がきっかけで出会った方の中には、めたるのスポットに登録してくださった方もいます。移住サポートサービスを手がけるきら星株式会社の三浦ゆうたろうさんもそのひとり。
いまでは三浦さんご本人に遭遇したら1000めたるがもらえる体験まであります(笑)。
ーーすごい! ここまで積極的に使ってくださる方がいると心強いですよね。
「違う所属・団体でも一緒にまちを盛り上げていこうよ」という思いで協力してくださる方がたくさんいて、ほんとうに支えられています。
▲三条市の空き家相談窓口や学生団体が運営するスポットもあります
学生や県外の人にも、燕三条の魅力を伝えたい
ーーこの1年間を振り返ってみて、今井さんが運営団体として大切にしてきたことは何ですか?
一人ひとりとの出会い、でしょうか。めたるを積極的に使ってくれている方から、初めてダウンロードした方まで、みなさんとのつながりを大切にしてきました。
まちのコインで地域の方々を巻き込んできた、というよりは巻き込んでもらってきたという気持ちです。新しいことにどんどん挑戦していく、面白いことを取り入れていく燕三条の地域性に救われてばかりでしたね。
ーーこれからまちのコインを使って燕三条を盛り上げていくために、挑戦したいことはありますか?
外からきた人はもちろん、学生さんにも活用してもらいたいですね。
私もそうでしたが、学生のころはなかなか地元の良さに気が付かないもの。まちのコインが燕三条の面白い人、面白いお店の魅力を発見するきっかけにつながればいいなと思っています。
最近は三条市の高校生たちとまちのコインで何か一緒にやりたいよね、って話しているところ。イベントにも顔を出してくれるようになり、まちの方と交流している姿をみてなんだか温かい気持ちになっています。
2022年には三条市を舞台にしたTVアニメが放映されたことで「一ノ木戸商店街」をはじめ聖地巡礼に訪れる人も増えてきました。県外の方にも楽しんでもらえるようなスタンプラリーを企画しているところなので、めたるを活用して燕三条エリアをさらに盛り上げていきたいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
燕三条エリアではまちのコインを導入しています。燕三条の通貨は「めたる」です!近くに住んでいなくても、どこからでも参加できる体験もご用意しているので、もしよかったらダウンロードしてみてくださいね。
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