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白壁の美しい町家を未来へ。まちのコイン八女で高校生向けに「ベンガラ柿渋塗り」体験イベントを開催

2023年3月12日に、福岡県八女市で地元高校生による「ベンガラ柿渋塗り」体験ワークショップが開催されました。

このイベントは八女市福島地区の町並み保全活動の一環としておこなわれたもの。

高齢化が進み、伝統の継承や建物の修復作業が滞っているという地域課題を、次世代の担い手である高校生にも自分事として考えてもらうきっかけとなることを目的としています。

八女市福島地区の町並み保全活動とは

福岡県八女市福島地区は、江戸時代より商家町として発展し、今も白壁の美しい町家が多く残り、重要伝統的建造物群保存地区にもなっています。

町家の手入れとして、家々の戸や板壁などに「ベンガラ・柿渋」(防腐効果等のある伝統的な塗料)を塗っていましたが、地域の高齢化によって手入れが行き届かないという課題から「NPO法人八女町並みデザイン研究会」を中心にワークショップなどを通して保全活動を行ってきました。

これらの八女福島の町並み保全活動は、プロジェクト「八女福島 空き町家と伝統建築技術の再生による町並み文化の継承」の一環として、(社)日本ユネスコ協会連盟「未来遺産運動」の「プロジェクト未来遺産」に2009年に登録されています。

「ベンガラ柿渋塗り」体験イベント詳細

今回の参加者は、まちのコイン八女エリアの体験コンテンツとして参加者を募集。八女学院高校と八女農業高校の生徒計11名が参加しました。

「ベンガラ柿渋塗り」体験の様子
「ベンガラ柿渋」の塗料
まちのコインから応募した高校生以外にも24名もの参加者が集まりました

当日参加した高校生からは「ベンガラ柿渋塗りは大変なイメージがあったけど、やってみたらとても楽しかった」「八女でないと体験できないことだったからすごく新鮮だった」といった感想が寄せられました。

まちのコイン八女のスポットでもある「八女市横町町家交流館」

「まちのコイン」で若者世代が地域とつながるきっかけづくり

八女市では、人口減少や山間部の過疎問題を解決するべく、地域コミュニティの持続的な賑わいや関係人口の創出を目的に、人と人とを仲良くするまちのコインを導入しています。

まちのコイン八女では、これまでも地域FMのCM制作や天文台のスタッフ体験など、過去3回にわたりボランティアを募集しました。

これまで12名の高校生が地域のボランティアに参加し「普段かかわりのない人と話すことができて良かった」や「元々は違う町に住んでいたので、ボランティアをきっかけに八女のことを知れて良かった」などの声をいただいています。

今後も「大自然や歴史、伝統をつないでにぎわうまち八女」をテーマに掲げ、まちのコインを活用して地域内外の人が交流し、地域の愛着を持つきっかけづくりに取り組んでまいります。

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