見出し画像

社会保険労務詐欺容疑で逮捕記事を読んで

昨日の新聞に社会保険労務士の男性が厚生労働省のキャリアアップ、助成金等約2,300万円をだまし取ったとして、大阪府警に詐欺罪の疑いで逮捕された報道がされていました。


以前より助成金の不正受給による案件で厚生労働省の処分を受けた通知が出ることは、特に3年前の新型コロナ感染症の雇用調整助成金等の案件増加により増えていましたが、詐欺罪により逮捕されたとは珍しいと思います。

私も過去に経験がありますが、怪しいコンサルティングの会社とかが助成金申請のコンサルティングなどを行うなどの名目でアライアンス名目で客を紹介するなどをして、実態は助成金の支給要件である研修や諸条件などを行っていない例などが多く、どちらかと言うと社労士は巻き込まれる立場と言う感覚を持っています。しかし企業側の感覚では、社会保険労務士が無理な助成金申請を進めてくることによって、不正受給や犯罪に巻き込まれていると言う感覚を持っている人が多いと言うことを聞いたことがあります。企業側の感覚としては、社会保険労務士がもらえるわけもない助成金を無料相談等で進めてくることによって、無理な条件により業務の圧迫を受け、逆に研修等の時間を取ることができずに、簡易的に済ましてしまったことを相談しても社会保険労務士の方でなんとかすると言う返事をされたことによって、申請してしまっていると言う感覚を持っているようです。

当法人の顧問先にも電話やファックスなどで、「あなたの会社は〇〇万円の助成金を貰い損ねていませんか?」などと営業の案内を受けることがあります。実際には要件を確認すると、その会社では受給することができない、または受給するためには今のやり方や制度を変えなくてはならないなど、助成金ありきの業務を行うための無理な変更のため意味のないものであることが多いです。特に申請がしやすいキャリアアップ助成金等でそういった事例が多くあります。

この3年間新型コロナ感染症により世界的に経済は苦しくなっていることもあり、助成金申請または補助金の申請等は注目され、当法人でも顧問先のために申請ができそうな助成金の案内などにも力を入れていますが、助成金をもらうためには一定の要件をクリアする義務があることを社会保険労務士やコンサルタントも再確認する必要があるのではないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?