見出し画像

東証 特例措置移行終了を前に

あまり話題になっていませんが、東京証券取引所の再編による「特例措置の移行期限」が明日となっています。これによって約160社程度がプライムからスタンダード市場へ移行するとなります。

これもあまり知られていませんが、東証の再編によって、今までの一部、二部、新興市場(マザーズ、ジャスダック等)など縦型に位置づけられていた市場は、プライム、スタンダード、グロースの3つの市場に再編されました。当初は、今までと違い、この新しい市場はすべて並列の市場と考えており、今までと違ってプライムが1番上位であると言うものではありません。最近IPOの準備などに関わっていると、ここら辺をしっかりと理解していない担当者等が多いことには驚きます。まあ、今まで一部上場を目指して一流企業になるということがベンチャーなどでも言われていたので、この感覚が残っている事はしょうがないのかもしれません。ちなみに私の親族も旧東証二部の上場企業だったので、子供の頃によく「いずれは一部に上がって、一流企業の仲間入りだ」などと言っていたことを思い出します。

また、この特例措置も、本来はプライムの上場基準を満たしていなかった場合、スタンダードなどの上場基準を満たするかどうかの審査を最初からやり直さなくてはならなくなり、そうでなければ上場廃止と言うことでしたが、それをあまり理解していない一部上場企業の担当者が多かったため、無条件でプライムに移行できる措置を設けたと聞いています。ニュースなどでスタンダードに移行する企業の時価総額を見ていると、とてもプライムの上場を満たせる時価総額ではないため移行は当然と言えると思います。

これにより昨春から始まった東証の再編にようやく一区切りがつくことになります。既に「東証の再編に意味があったのか?」と言うようなことが言われていますが、再編をして東京市場をもう一度活性化させるための手腕の見せ所はこれからになると思います。最近は市場再編の市場だけでなく、TPM(東京プロマーケット)への上場を支援するコンサルティングも増えてきているため、今後は新型コロナ感染症により下火となっていた人事労務デューデリジェンスもまた活気づいてくるのではないかと期待しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?