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コミケマーケティング 序論

本記事は、C101に向けた草稿の一部です。
冬コミで頒布する本を買う人は、全く読む必要がありません。

既存マーケティング理論の残念な点

マーケティングという学問は応用範囲が広く、当然コミケで同人誌を頒布する、というケースの際にも有効活用できます。
しかしながら、コトラーにしろ日本的なマーケティング検定内容にしろ、それらの視点も実践も基本的には企業活動をベースとしています。

つまり、アーティストが自分の作品をマーケティングする事をメインに据えた構成・章立て等ではないので、我々にとってはほぼ無用と言って良い領域も膨大にあります。
コミケで同人誌を頒布するのにテレビコマーシャルの価値等を勉強する意義は少なく、不要と切り捨てたほうがきっと健康に良いと断じます。

みんなが普通にマーケティングを勉強し、一般的なマスマーケティングに軸足を置いた理論体系の中から、クリエイター個別の事例に応用を効かせていけばよいとも考えたいですのですが……
この記事(本)を読むような皆さんはそもそもがほとんどがクリエイターです。

『クリエイター向けのマーケティング理論』として初めから整ったもので、効果的に学びたい識りたいとは思いたいでしょうし、それなりのまとまった需要があるのにそれそのものが無いのは不便なものだと思います。

我々向けマーケティングパッケージ

マーケティングという大きな学問体系を学び、それを実践で活かす。
それはやり方の一つであり、理想の一つでもあります。

その習得と実践に膨大なリソースを費やしその身にマーケティングを体現し悦に浸るのも可能性の一つでしょうし、学びながら他者のためにそれを用いるというのもあるでしょう。

しかし、よりピンポイントに。
必要な骨子と血肉を選別しての、より効果的効率的な学びと実践があって良いと考えます。
個人商店で高級パン屋を開くのと、大企業で新動力エンジンを用いた大衆車を作って売るのでは、双方に「その領域を学んでもなぁ」という部分は大なり小なりあるでしょう。

コミックマーケットという、マーケット空間は特定されスケジュールも特定された世界においてはなおのことです。
ここでマーケティングを活かそうという時に、マーケティングを縦横無尽に学び様々なビジネスシーンでの分厚い経験を持たなくても「ここをこう抑えておく」という、学問という知的で肉厚で底知れないものを持たなくても活かすことが出来るノウハウとマニュアルにより寄った親切なものをアウトプットし頒布したいというのが私の望みです。

『コミケ』で括るのも無理

しかし、まだ大きい難関があります。
その限定されたコミケという空間でさえ、統一マーケティングメソッドは作れないのです。

サークル主の考えやジャンルの特性などがありますし、より多くの本を頒布する事がそもそもゴールに入っていないサークルさえもあります。
信仰にも近い想いで、『この界隈の本はこう頒布せねばならぬ』という勢力も無視できない数で存在します。
そもそも、マーケティングという概念からして受け付けない、憎しみをもって睨みつける人もいます。
『仕事じゃないんだから、マーケティングとか難しいこといってんじゃないよ?』という意見もあります。

なので、より限定的に『型』を提示し、それに幅を持たせて応用してもらいという方式で本書を構成しようと思います。

評論同人マーケティングの『型』で行く

私はコミックマーケットの参加歴は20年ほどですが、その経験の中で多くの他の同人作家と一番異なる点を挙げるとするならば様々なジャンルでサークル参加してきたという事です。

コナミ音楽ゲーム関連の『音ゲー』ジャンルにて初参加でした。
その後、『ゲーム・その他』『評論・情報』『ギャルゲー』『TYPE-MOON』『飲食』『非電源ゲーム』など、その都度興味のあるジャンルに跳んで写真集やグッズ含めて様々なものを頒布してきました。
そのうち、一次創作小説とかにも手を広げるでしょう。

その跳んだ先で。
過去の実績・ブランドに頼らず(頼れず)、ゼロベースからそのジャンルで格闘し、黒字頒布を都度達成しています。

それら経験から、一番マーケティングのやりがいがあるジャンルを『評論・情報』と選び定めました。
その規模、今後の発展性、新規性のあるテーマを認知ゼロから広げる過程。
コミケマーケティングの型をこのジャンルを前提として作り、それを基礎として他ジャンルでマーケティングの余地があるサークルに応用してもらう。

少し、強引かもしれませんし。
単に、私が得意な領域でやりたいだけだろ?と言われたら否定は出来ませんが。
それを読んだ人が『役に立つ』と思ったならば、肯定されるものとします。

『型』の示し方

科学技術文明、という言葉が私は好きです。
科学という学問だけで現代社会は成り立っていません。
経験をもとにした、科学的にその再現性保証や機序証明されていないノウハウも含めた技術も併せての今の我々の社会なのだと。

今回お出しするコミケマーケティングの『型』についてもそうです。
まずは、各所にて最低限の理由は添えますが、まずはこうして下さいという型を示します。
その型どおりに同人誌の企画・告知・制作・量産・搬入・頒布・展開・回帰をこなして貰います。

それらは、理論の部分もあれば経験の部分もあります。
全てを読み通せば、一つの機構として回転し、その同人誌の可能性を最大限に引き上げて多くの人に手に取ってもらい、サークルが、そしてあなたがより成長するのだときっと実感できるものとなるでしょう。

マニュアルやノウハウと言いたくないのは、目先の運用で終わるものではなく、次をより良くすることも意識して格闘して貰いたいからです。
空手の正拳突きを、去年より先月より昨日より1時間前より、わずかでも進歩した突きを放つイメージで向かい合えば。

あなたは、目先の赤字黒字に悩むのではなく、自分の本をより飛翔させるためには何が出来るのかを、能動的に楽しく考え取り組めるようになるでしょう。

『型』の基本

マーケティング用語を可能な限り用いず、平易な日本語で解説し『型』を説きます。
「ここで差別化して」くらいの用語を使いますが、セグメンテーションなどの横文字は解説を挟むかします。

そして、型を解説する各項目は他の項目全てに繋がっています。
『型』なのですから。

おわりに

この序論を持って、本書で一番何を読者に伝えたいかを示しました。

実際の本では、この序論の前後で「どんな人の為の本なのか」「どういうゴールを具体的に持ってもらうか」「この本をよむ必要の無い人もいる」というものも伝えて、幸せなマッチングを企図します。

無職へのお布施

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