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after展覧会「第66回日本伝統工芸展」

はじめに

先日、島根県立美術館へ「第66回日本伝統工芸展」を観に行きました。
運がよいことに、14時からのギャラリートークに間に合いました。
この日は、諸工芸部門より七宝作家の粟根仁志さんによる展示作品の解説を聞くことができました。
なお、before展覧会の記事もよかったらご覧ください。

作家さんからのお話

今回のギャラリートークでは、3名の工芸作家の方もいらしていて、展示されている自身の作品についての話を聞くことができました。
技術的に難しかったことや、製作期間、思い通りにならなかった点など、実際の作品を見ながら話しを聞けるチャンスは少ないと思うので、よい体験となりました。
七宝焼きの説明がメインでしたが、諸工芸には様々な分野が含まれています。七宝以外には、硝子(がらす)・砡(ぎょく)・硯(すずり)・截金(きりかね)・象牙(ぞうげ)・和紙(屏風(びょうぶ)/墨流し(すみながし))・木画(もくが)・瑪瑙(めのう)などがあります。
展示会場を見回すと、広く展示スペースをとっているのは陶芸でした。諸工芸でくくられてしまう各分野の工芸品は、展示数は少ないながらも、逆に主流?な部門の工芸品に埋もれてなるものか、という気概を感じました(ギャラリートークの影響でしょうか)。

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七宝焼きについて

七宝焼き、名前は聞いたことはありましたが、いざどのような工芸品か説明してみろ、と問われてもうまく答えられないくらいの知識しかありません。
日本工芸会東日本支部のHPによると、次のように説明されています。

古来、七つの宝(金・銀・瑠璃(るり)・硨磲(しゃこ)・瑪瑙(めのう)・真珠・まいかいに例えられ、無限の色感を立体に表現できる特性を持つ。金属素地(金・銀・銅等、"胎(たい)”といわれる)にガラス質の釉薬を施し焼成。研磨して仕上げる。釉薬は作家が調合し、独自の透明度・色感を得る事が出来る。(炊き合わせて色を作る作業は「ホーロク合わせ」と云い大変重要な手順の一つである)
と説明されていて、以降はずらりと技法の説明が書かれています。
https://nihonkogeikai-east.jp/bukaishokai/shokogei-bukai.html

工芸品との距離感

日本伝統工芸展を観に行って、あらためて工芸品との向き合い方を考えました。本展覧会は人間国宝となられている方々の作品も展示されており、どうしても美術的側面から見てしまいます。
しかし、もっと生活の近くにあるものが工芸品の本来の姿でしょう。お財布と相談しながら、日本各地の伝統工芸品を自分の暮らしの中に取り込んでいってみようかとも思いました。
それにしても、想像していた以上に多くの方が本展覧会に来館されていました。あの正倉院展も毎年20万人以上の人が訪れていると日曜美術館でも言っていましたが、自分なりの見方が整えば、もっと楽しんでいけるのが工芸の世界なんだと感じました。

お知らせー今後の巡回先

「第66回日本伝統工芸展」は年明けから以下の場所で巡回されていきます。
2020.1.2-1.19 香川県立ミュージアム
2020.1.22-1.27 仙台三越 本館7階ホール
2020.2.4-2.9 福岡三越
2020.2.13-3.1 広島県立美術館
詳しくは、日本伝統工芸展HPか各会場のサイトをご確認ください。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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島根県立美術館を背に、目の前に広がる宍道湖です

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