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しまね発着、アートな旅のしおり(2号)足立美術館

はじめに。

アートブロガーの町平亮(マチヘイスケ)です。
”しまね発着”と名打ってはいますが、今回の目的地は島根県安来市にある足立美術館です。日本庭園がとても有名なところです。
新型コロナウイルスの感染が再び各地で広がっていますので、なかなか県外へ出かけることに躊躇してしまう今日この頃です。
美術館職員の方々も館内の感染症対策を徹底されていると思います。本当に今は我慢というか、注意には注意を重ねて生活をしないといけないと思いつつ、休日のアート鑑賞はひとときの楽しみ。これがあるから、毎日の仕事も乗り越えられるというものです。では本日の目的地、足立美術館へ向かってみましょう。

行きつけの美術館をつくる。

行きつけのお店といえば、飲食店や美容院などが思いつきます。ポイ活している人なら行きつけのコンビニやドラッグストアがあるかもしれません。
では、行きつけの美術館、と聞くとどうでしょうか。
カフェに寄る感覚で美術館を利用している人なんて果たしている?!
自宅から徒歩圏内で美術館がある人はそんな優雅なひと時をお持ちかもしれません。併設されているレストランなどは入館せずとも利用できる美術館もありますし。
美術館に行く目的、それはお目当ての特別展や企画展の鑑賞です、一般的には。世間的に話題になっているブロックバスター展(大型企画展)なら、前売り券を買って当日に向けて気持ちをあげていきます。
でも、この話の趣旨である行きつけの美術館とは、展覧会を見に行くためだけの美術館ではありません。有料・無料を問わず、その美術館の内からでも外からでも、一か所でいいですからお気に入りの場所があること。そして頻度は人それぞれですが、リピートして訪れていること。そろそろ紅葉のキレイな頃だなあと思いを巡らしたりできること。そんな美術館の話です。

しかし、常連になるためにはそれなりのお金が毎回かかります。
この度の足立美術館での支出の内訳を記しますと、
入館料2,300円
食事代1,600円(ベジタブルカレーとコーヒーのセット)
グッズ代1,060円
合計4,960円
(高速道路を利用して車で行きました、その交通費もかかっています)
徳島県の大塚国際美術館よりは安いですが、前述のブロックバスター展でも観覧料が2,000円を超えるものは珍しいです。

「足立美術館に行ってきました」と知り合いに話すと、「行ってみたいけど、ちょっと料金が高いよね」という反応があります。今回の初訪問では、滞在時間はランチ時間を含めて約3時間。少しはしょってしまった所もあるので、お急ぎでなければ半日は過ごせます。

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足立美術館ではパートナーズカードと呼ばれる会員制度があり、2年間のパスで6,000円になります。いま、山陰や中国地方の美術館を中心に年間パスの情報をまとめる記事を書いていますので、出来ましたらここに追加で掲載します。

足立美術館の日本庭園を見て思ったこと。

これまで日本庭園というものに、強い関心を持って見たことはあまりありませんでした。現地に到着したのが13時半くらいで、まずは昼飯を食べに行こうということで、《喫茶室「大観」》に向かいました。お腹が空いていたので、窓際の席を希望せずに店内の真ん中あたりの席に案内されました。「大観」からは《池庭》と名付けられた庭園が見えます。

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この写真は食事を終えてから、屋外に出て《池庭》を撮影したものです。実はランチの最中に池の水を飲みにどこからか一匹の猫が現れました。ガラス窓の向こう側に、灰色に少し白が混じったような模様の猫。ちょっと席からは距離があるのでどんな顔をしているかまでは分かりませんでした。(下記の写真は《池庭》から《喫茶室「大観」》を写したものです。)

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ここが足立美術館ではなく、近所の公園であったなら、「あぁ、野良猫だ」くらいなものです。《白砂青松庭》ではきれいに整備された芝生の上を一羽の小鳥がチョコチョコと足早に歩いています。猫や小鳥やカラスでさえも、ここ足立美術館の庭園の景色に溶け込むと、どうしてだか特別感が出てきます。選ばれた動物たち、高倍率のくじに抽選で当たった動物たちではないかとさえ思えてきます。あるいは、仕事として定期的に人間の目に入るように登場してくれているのかもしれません。

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展覧会の話をさいごに。

日本庭園は四季の移ろいで、その時その時の表情を見せてくれます。館内には”同じ場所”の紅葉で赤に染まったときの写真や、雪化粧をまとったときの写真も飾ってあります。また、年間の庭園職人の方々の年間スケジュールも展示されています。この時期にはこんな作業をしているのか、などが分かります。ときには作業の様子が見られるかもしれません。

さて、最後に日本庭園以外の展覧会のことを少し。足立美術館と言えば横山大観の豊富なコレクションが有名です。さらに、2020年4月に新しく「魯山人館」が開館しました。北大路魯山人の書や陶芸作品も充実しています。

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ですが、もう一つ、「現代日本画名品選Ⅱ」という展覧会が新館で開催されていました。少し長いですが、公式HPより足立美術館賞の説明文を引用します。

足立美術館では、将来性ある日本画家を育成する一助になればという思いから、開館25周年を迎えた1995年(平成7)に日本美術院展覧会(院展)において「足立美術館賞」を創設しました。毎年9月に開催される院展の中から、優秀かつ当館にふさわしい作品を1点選考するもので、同時に買い上げを行っています。また、同賞のさらなる発展とコレクションの充実をはかるため、2005年(平成17)からは、毎年4月に開催される春の院展にも「春の足立美術館賞」を設けています。当館のコレクション中、質・量ともに最も充実しているのが横山大観の作品です。岡倉天心の理想のもと、その大観によって再興された日本美術院に「足立美術館賞」「春の足立美術館賞」が設けられたことは、じつに意義深いものがあります。
春・秋の「足立美術館賞」を受賞した作品が、今後の日本画の発展に重要な役割を果たしてくれることを、また回を重ねて足立コレクションの新しい顔となってくれることを願って止みません。
引用元:https://www.adachi-museum.or.jp/award

院展はまだ私にとっては未踏の分野です。
また別の機会にこの時の感想は記事にしようと思っています。
さて、足立美術館の詳細は下記のホームページよりご覧ください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

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