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AIと人間の架け橋に。

AIが日常的に普及すれば、町医者松嶋大の仕事は無くなる、と確信しています。

例えば診断。
町医者松嶋大の場合。
症状や経過、ちょっとした身体診察でおよそ病気のあてがつく。
必要な検査をおこなって病気はほぼ確定します。

例えば治療。
病気をもとに患者さんのちょっとした情報(年齢や内臓、アレルギーなど)から判断します。お薬、手術、あえての経過観察など。

これら診断や治療の決断は町医者松嶋大(人間)ですら時間がかかりません。
(もちろん複雑なものは、相当の時間がかかります)


AIを予想してみます。
どちらも即座でしょうし、間違いがないでしょうし、しかも常に最先端の知見でしょう。スピード感は当然のこと、質も高いでしょうから、AI時代に町医者松嶋大の出る幕はございません。


ここで町医者松嶋大(人間)の頭の中をご紹介。
診断も治療に対しても、教科書的な知識をベースに、指導医からの教え、経験を背景に無数のアルゴリズムがあります。
医者になって25年近くにもなると、である患者さんの訴えについて全く初めてということはありません。
結構違いがあったとしても、基本的にはどれかのアルゴリズムに合致します。
得た情報をつなぎ合わせて、どのアルゴリズムにフィットするかの結論を出すのです。
そのフィットしたアルゴリズムから決定を導き出します。患者さんごとに多少はオプションをつけつつも。

百歩譲って、アルゴリズムが探し出せないときは、少々時間をもらって、勉強して、新たなアルゴリズムを創りだします。

医者によって方法は多少は違うとは思います。


この流れであれば、AIであればはるかに早いですし確実ですよね。

そんなAI世界になれば、町医者松嶋大の役割はほぼありません。。。


でもでも、ちょっとくらい出番が欲しいなぁ。

ということで、考えてみました!
ありましたよ、一つだけ。

AIと人間の架け橋。
もう少しいいますと、AIと患者さんの架け橋!

少し説明させてくださいね。
日々の診察で時間がかかるところって、患者さんの訴えを聞いて、患者さんに確認して、医学用語などに落とし込むことです。
医学用語に落とし込まないと、前述で言えばアルゴリズムに持ち込めませんから。

例えば、「なんていうんですかねー、なんとなくふつうじゃないんですうよねー」という患者さんがいたとします。
患者さんが実は自分の不調をただしく理解していないともいえます。
ここで「つまり、だるいって感じですか?」と尋ねた場合、「そうそう、それです。だるい」となることもしばしば。そこで「だるい」が決定です。

次に治療でお薬を出す場合。
例えば、「このお薬を出しますね」と患者さんに話をしたとします。
患者さんが、「いや、薬は飲みたくないんです」とおっしゃることがあります。
『じゃあ、なぜ受診したんだー』というのは心のなかで叫ぶこととしつつ、表向きは冷静に「なるほどそうですが、なぜ薬を飲みたくないかの理由を教えてくれますか」と尋ねます。
たくさんのキャッチボールをして、納得して患者さんに薬を飲んでもらうこともできますし、納得して薬をださないこともあります。

ここらへんの、言語化しづらい部分、感情的な部分のやりとりは、普段の診察ではかなり時間を必要とします。
そしてきっとAIにはまだまだ難しい。


ということで、AI時代の町医者松嶋大の役割はこうなりますかね。

携帯電話屋さんの入口の受付機械の横にいる方!
「こんにちは、今日はどうされましたか?」
「あー、頭がいたくて」
「はい、頭がいたいんですね、ではこちらのボタンをおしえてください」
のようなやりとり。すごく重要なポジションですよ!

それとさっきのやりとり。
「あー、頭がなんかへんなんですよね」と患者さんがおっしゃったとしたら、「なるほど、どんなふうにへんなんですか」と受付機械横(=町医者松嶋大)。
「なんていうか、ズキズキするんですよね」
「つまり、頭痛ですかね」
「はい、それそれ」
「であれば、こちらの頭痛ボタンを押してください」
これです。最高に必要な受付機械横(=町医者松嶋大)です。


ちなみにAI治療編。
「この薬をのんでくさい」とAIが確定。
「いやだなー」と患者さん。
「なぜ嫌ですか?」と受付機械横(=町医者松嶋大)。
そこで横と患者さんでやりとりして決定。
途中で受付機械横がわからなくなったら、患者さんを代行する形でAIに聞いてもいいですものね。
「患者さんが薬以外の治療でとおっしゃっていますが」と。
そしたらAIがきっと第二案を出しますよ。
さながら「子曰」ならぬ「AI曰く」です!
論語が孔子の弟子たちが会たものとしたら、町医者松嶋大がAIの弟子となって翻訳する!!


これですね。
まさに、「AIと人間の架け橋」もしくは「AIの翻訳家」です!!


おー、これで初期版AIでは町医者松嶋大の役割がありそうです。
でも、さらに進化したAIでは、上記の受付機械横(=町医者松嶋大)も包括するんじゃないでしょうかね。

初期版が数年以内に実用化するとすれば、進化版はいつ頃でしょうか。
ぼくがトップスピードで走るのがあと5年、その後から緩やかに引退体制。
AIの進化と町医者松嶋大の引退。
どちらが早いか!

いや待ってください。
逃げ切りを図る前に、AIとは違う町医者松嶋大の特徴を確立しようじゃありませんか!

というわけで「町医者松嶋大の強みはどこにあるのか?」探しの旅にでます。

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