激化する“自然”との関係性について学んだこと。
哲学者の内山節先生に質問をさせて頂く機会に恵まれた。尊敬する哲学者故になかなか緊張したけれども、勇気を持って質問出来たことに満足だった。その時に質問したこと、考えたことを綴っておきたい。
内山先生曰く、日本の地域社会には3つの繋がりがあった。その3つとは(1)ひととの繋がり、(2)自然との繋がり、(3)死者(今の社会を築いた先輩たち)との繋がりであり、この繋がりを回復することがいまの社会にとって大事だ(と、私は理解した)。
そこで、私が質問したのは、「異常気象などで自然災害が激化する中で、自然とひととの関係性において、昔から変わらないことと昔とは変わることはそれぞれ何か」ということだった。
頂いた答えはシンプルで、「変わらない」だった。技術や力で自然を制御しようとしてきたのは明治以降で、それまでは制御できないことを前提とした自然との関係性があったとのこと。
霞堰や河畔林などの事例を挙げられ、氾濫を前提にした川との付き合い方があったことを教えて頂いた。
そう考えると、むしろ明治以降の「自然を制御する関係性」の方がむしろイレギュラーな在り方で、長い目でみると制御できない自然と折り合いを付ける方が自然な在り方の様に思えてきた。
「昔」と言った際には、「自然を制御していた頃」ではなく、「制御できない自然と折り合いを付けていた頃」のイメージの方なのか。いざ言われてみると当たり前の様にすら感じてしまうが、なんだか目からウロコだった。
自然に限らず、「制御できないこと」とどう関係性を取り結んでいくのか。これからの社会においては、このことが大事なのかもしれない。
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