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【大学生インタビュー】俳句を極めたその先に広がる、自分だけの道

皆さんこんにちは。Campusful運営の光山(こうやま)です。

このnoteは、大学生の皆さんを対象に、少し先を行く先輩方が「あの時知りたかったこと」を経験談を交えながらお伝えしていくメディアです。

今回インタビューに応じてくださったのは、慶應義塾大学4年で、慶應義塾大学俳句研究会代表(取材当時)の細村星一郎さんです。

高校の同級生に何気なく誘われた俳句に、気がつけばのめり込んでいた細村さん。
俳句という一つのことを極めた経験が、揺るぎない自分の世界を作る大いなる糧となっていると、随所に感じました。
もちろん、サークル以外にも進路のお話などもお聞きしています。

大学生活をどのように過ごせば良いか悩んでいる大学生の方にとって、とても参考になるお話となっています。
「少し先をゆく先輩」の生の声、ぜひご覧ください。

細村星一郎さん。アーティスティックな雰囲気が漂う好青年で、終始楽しくインタビューさせて頂きました。

ー本日はお時間を頂きありがとうございます!まずは細村さんの大学入学以前のお話を聞かせてください。

僕の家はいわゆる転勤族でして、中学に入るまでは福島、北海道、宮崎を転々としました。転勤の都合上どうしても一つの場所で長く活動することができないため、クラブ活動などに全力で入り込むというよりは、様々なことに少しずつチャレンジする、という子供時代だったように思います。

転勤は続き、中学入学前には名古屋で暮らすことになりました。その時は名古屋の中学に進学するのかなと漠然と考えていましたが、中学受験をして欲しいという両親の意向もあり、京都の中高一貫の進学校を受験しました。
幸い合格することが出来ましたので、中学、高校は名古屋から新幹線で京都まで通っていました。

ーいきなり波乱万丈な幼少期ですね。高校時代はどのように過ごされましたか?

進学校だったので、やはり勉強に重きを置く生徒が多かったです。部活ももちろんありますが、入部を強制するような雰囲気はありませんでした。

僕も高校で部活に入らなくてもいいかと思っていたのですが、ある日同級生に「俳句部に興味があるんだけど一緒について来てほしい」と誘われて、俳句部の見学に行きました。
実際に行ってみると思いのほか楽しくて、結局僕自身も俳句部への入部を決めました。

高校には俳句甲子園という俳句の全国大会があるのですが、それに出場するとスポンサーさんが旅費を出してくれるので、無料で開催地である松山に行くことができるんです。俳句部の友人たちと松山に行くのはいつも楽しみでした。それも活動を続けた理由の一つかもしれません(笑)。

ー現在慶應義塾大学の俳句研究会の代表をされていますが、高校時代から俳句をされていたのですね! 大学入学後は多くの選択肢があると思いますが、どのように考え、行動をされたのでしょうか。

まず俳句は続けようと考え、慶應の俳句研究会への入会を決めました。俳句は個人活動なので時間の融通は効きやすいので入っておいて損はないという意図もあります。
他には音楽系のサークルにも入りました。ですが、2年生の時にコロナ禍が始まり、対面での活動が必要な音楽活動を続けることが難しくなってしまいました。そのため結果的にはサークルとしては俳句研究会での活動がメインになりました。
意図していたわけではありませんが、俳句という個人での活動が主となるサークルを選んだことでコロナ禍という不確実な状況においても自分の居場所を確保することができました

ー俳句研究会でのご活動について詳しく教えてください。

俳句研究会は総勢10名程度で活動しています。僕は経験者だったこともあり、1年生の時から代表を任されていました。

ちなみにですが代表というと仕事が多く大変なイメージもあるかもしれません。実際そういった側面も無くは無いのですが、例えばですが、多くのサークル関係者の方が頭を悩ませるであろう新歓ではそこまで苦労はしませんでした。というのも俳句サークルには学内の競合はいないので、常に一定数の新規参入者が見込まれるためです。俳句に興味がある方は自ら調べて来てくれますし。そのため、サークルのメンバー獲得で困ったことはあまりありません。

研究会での活動としては、毎月句会が開催されています。未経験者が独力で学ぶのは難しいので、僕はそういった方々に俳句を教えることも多いです。
また、OBの方も積極的に活動に関与してくださり、定期的にLINE上で句会を主催してくださっています。毎回出されるお題に対して10句投稿すると、OBの方が講評をしてくださいます。

ー10句も詠むのはかなりハードルが高そうですね。かなりストイックなご活動ですね。

そのように思われるかもしれませんが、実際には違います。実は10句出すのは簡単で、それ以上の句を生み出すことの難易度は高くはありません。一方で、難しいのは厳選する作業です。自分の句の中から投稿するに値する10句を選ぶ作業に、毎回すごく苦労しています。

ーそれは面白いですね。俳句をされていて特に嬉しかったことを教えてください。

俳句の世界には角川の『俳句』のような月刊誌が4誌ほど存在します。そういった雑誌に自分の俳句が掲載された時の喜びはやはり格別です。
ありがたいことに、最近は雑誌から俳句の依頼を頂けるようにもなりました。この世界で認めて頂けているという実感がやりがいに繋がっています。

また俳句という特性上、年配の方と俳句を通じてコミュニケーションを取る機会にも恵まれています。老人ホームでの俳句会なども開催しており、人生の先輩方からも多くを学ばせて頂いています。

ーもはや俳句のプロの方にインタビューさせて頂いている感覚になってきました(笑)。素晴らしいご活動実績ですね。このインタビューの趣旨とは少し逸れてしまいますが、私のような素人が俳句を学ぼうと思ったらどうすれば良いでしょうか?

俳句の世界には人に教わる文化があります。華道の○○流などのイメージです。良し悪しはありますが、俳句の世界では誰に教えられたかを重視する傾向にあります。
俳句は「結社」と呼ばれる組織が全国に存在します。結社に入り、師匠の下で学ぶのがスタンダードな俳句の始め方と言えます。俳句雑誌などを読み自分の好みに近い句を詠む方が属する結社とコンタクトを取ってみると良いかと思います。

ー俳句の世界で突出した成果を出されている細村さんがどのような進路を選ばれるか、興味が沸いています。就職活動についてもお聞きしてもよろしいでしょうか?

最初は学芸員を目指しており、実際に大学で学芸員の資格を取得できる授業を選択しています。ですが、情報を調べるにつれ学芸員の実態が僕のイメージとは異なっていることが分かり、別の道を探ることにしました。

元々美術に興味があったので、求人サイトで見つけた額縁を扱っている企業のインターンに応募しました。
ですが最初は「慶應の方ならきっと他の大企業に就職してしまうと思うから、インターンの採用はできない」と断られてしまいました。ただそこで折れずに、あくまで長期的に働くつもりであることを伝えた結果、採用が決まりました。ご飯に連れて行って頂いて「じゃあ明日からよろしくね」というような、ベンチャーのノリでした(笑)。
お世話になる予定の企業は額縁以外の商品も扱っており、先進的な取り組みにも熱心なスタートアップなので、今からとても楽しみです。

ー就職活動も一味違いますね。周囲の方と異なる進路を選ばれることに不安や葛藤はなかったのでしょうか?

元々大きな組織に所属することに魅力を感じていませんでした。むしろ俳句の経験から少人数でできることも多いと実感しており、小さい組織にネガティブな印象は全くありません。
美術系に興味があったこともあり、最終的に良き場所に落ち着いたという印象です。

周りの友人達からも変わっていると認識されているので、進路の話をした時も「まぁ細村らしいね」という反応でした。

ー若くしてご自身の感性にフィットするものとしないものの峻別が出来ていらっしゃいますね。周りに影響されず、ご自身の進むべき道を歩まれているのは素晴らしいの一言です。最後に、もし大学生活やそれ以前で後悔ややっておいた方が良かったな、という事柄があれば教えて頂けますでしょうか。

強いてあげるとすれば、大学選びでしょうか。お伝えした通り美術が好きだったので、美大への進学という選択肢もあったのかな?という気持ちは正直あります。
進学校で、美大受験という選択肢が学校側から提示されることは無いので、高校生当時は僕の頭にもありませんでした。
もちろん慶應義塾大学に進学したこと自体は良かったです。美術をビジネスなど実技以外の側面から学ぶことができたのは、それはそれで有意義だったという思いです。

ー貴重なお話、ありがとうございました!


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