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とまどいの詩 2/?

ある程度知っているつもりの僕だったが
CPKが2万オーバーという結果に
頭が追いつかない。

ん?だから結局何?!

その程度しか思考回路が働かない。

いつもそんなもんだ。
これまでも色んな事があったけど
今までなんとなくクリアして
何不自由なくやってきた。

今回も、きっと明日には忘れているような
まぁ、そんなもんだろ。

だけど診療所の医者が困った顔で続ける。

「この数値は明らかにおかしい。しかし何が原因かわからない。専門の病院で精密検査を受けて欲しい。」

寮生活のぼくは1人で診察を受けている。
あら?!これで終わりじゃないの?!

近隣に大きな病院が2つあり、どちらに紹介するか聞かれる。
田舎から出てきたぼくにとっては、正直、どちらも知らない名前だ。

適当に近い方を選ぶ。

しかし、専門の病院で精密検査となれば親にも連絡が必要か。

親父とはやっと話ができるようになったが、ひとまずオカンに連絡する。

実家から寮までは高速を使って車で1時間。
電車なら2時間といった距離にある。

オカンは車でここまで来れないだろう。

紹介された大きな病院への診察日が決まり
オカンに連絡する。

小さな頃より優しく愛が深いオカンは
もちろん同行を希望する。
しかしオカンも1人では不安なのか
ぼくの寮の近くに住む姉貴にも同伴を頼む。

受診日。

電車で来たオカンを姉貴が迎えに行ったみたいだ。
ぼくも病院最寄りの駅で待ち合わせをし、3人で路線バスに乗り込む。

実家よりもかなり都会の街で
路線バスに揺られる
ぼくとオカンと姉貴の3人。

オカンと姉貴は一緒に座り何やらおしゃべりをしている。
ぼくは少し離れた窓際に座り、ぼーっと外の景色を眺める。

ぼくの心の中は

「なんやねん。めんどくさい。」

早く
「問題ないです。また何かあったら来てください。」

と、言われるのを待っていた。

バスは静かに大きな病院前に停車する。
特に何も話すことはなく3人はバスを降りる。

大きな病院の正面玄関に立ち止まり
空を見上げる。

「めんどくさ」

もうこれで終わりにしてくれよな。
軽く舌打ちをしながら病院に入る。

大きな病院の神経内科に案内される。

結局ここでも採血をして
全身のCT検査をして
後日、結果報告の再診となる。

ほな、今日の付き添いいらんかったよね?!
その再診日だけの付き添いでよかったよね?!?!

わけのわからないイライラが襲うが、声を発しない。
オカンと姉貴を見送り、とりあえず帰路に着く。


つづく。

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