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なぜ?歯科の自費治療のいろは!!①(一般の方向け)

 こんにちは、歯科医師のマキアートと申します。また、読みにきてくださってうれしいです!歯科医師歴10年ほどで、のんびりと診療をしながら、休日に記事の作成をしております。

 さて、今回は歯科の自費治療について深掘りしていこうと思います。内容としては「なぜ費用が高いのか?」「なぜいい材料をつかうのか?」「なぜ歯が長持ちするといいのか?」についてです。

 今回は、「なぜ費用が高いのか?」に絞ってお話ししていきたいと思います。(わかりやすく説明したいのですが、専門の言葉が多く、分かりにくいかもしれないです・・・)

なぜ費用が高いのか?

 そもそも、なぜ日本に自費治療があるのかを説明します。国は『最低限の治療』に対してのみ『保険治療』としています。そのため、『見た目が綺麗になる』治療や『最低限の保障からかけ離れているインプラントや矯正』治療は、国からしたら『最低限の治療』ではないので、それは自己負担でやってね、となってしまいます。

 そこで、次に自費治療の費用がなぜ高額になってしまうのかを飲食店を例にとって説明していきたいと思います。

 飲食店の価格設定にたとえると、かかった食材の費用に対して3倍の値段設定(原価率30%)が基本とされています。(つまり、100円の食材費なら300円で販売する。減価率が低いほど利益があります。)

 また、全ての商品が費用の3倍(原価率30%)の価格設定ではなく、「費用の5倍(原価率20%)の価格設定の定番人気メニュー」「費用の2倍(原価率50%)の価格設定だが集客に影響する特別限定メニュー」など、平均が原価率30%となるように設定するのが基本となります。

 ただ歯科治療はあくまでも医療行為です。他人様のお体に傷を付けて治す治療において、集客目的の特別限定メニューなんてものは存在しません。

 ましてや治療を必要としている人に対して、説明もなく急に『保険治療にしますか?自費治療にしますか?』なんて聞いていてはどっちが良いのかも分かりません。(期間限定でホワイトニングキャンペーンなどはありますが・・・)

 なので、医院によっては「お話する時間(コンサルティング)」を30分〜1時間かけて説明を行い、保険治療と自費治療について説明をして、治療を受けてもらう人に後悔しないように説明しています。

 価格設定に関して歯科医院も同じで、かかる費用に対して原価率30%を基本として費用を頂いています。ただ、矯正やインプラントの場合は、専門的な知識と技術が必要なため費用の5倍を頂くことが基本になっています。(全ての医院がそうではありません!)

 また、矯正やインプラントはそれぞれの材料がかなり高価なのも原因の一つです。費用が安いインプラントは、トラブルも起こしやすく他の歯医者さんに行った時に対応できないことも多くあるので、安いインプラントが一概に良いとは言えないです。

 話を戻しますがでは、どこにそこまで費用がかかっているかというと、
「材料費」+「技工料」 になります。
*技工料・・・技工士が歯につける被せ物や詰め物を作る作業代
(基本的に都心部などは高額なテナント代がかかっていることが多いので費用に含められる場合があります。)

 自費治療のセラミックインレーだと、セラミックの材料費が5,000円ほどで、技工料(インレーを作る手作業料金)が20,000円ほどです。また、腕のよい人ほど技工料の値段も高くなります。

 そのため価格設定は、材料費5,000円+技工料20,00円=25,000円の3倍の75,000円前後となります。この値段に「人件費」+「テナント代」をたした価格がそれぞれの歯科医院での価格になっています。これが費用が高くなる理由です。(また、いい技工士さんほど技工料が高くなります。)

 小さい虫歯の治療の際に、保険で治療するのではなく、自費治療であるセラミックインレーで治療を行っておくと虫歯になりにくく、結果的に歯医者にお世話になる回数も減る利点があるのです!(ここの詳しい話に関しては、次回にさせていただきます!)

 僕たちのお口は14対の歯(柱)で支えられています。虫歯治療は、例えるならば「柱の補修工事」、それを「早く・安く・簡単に」で直していては、もつ歯も持たなくなります。

 また、虫歯が大きく「柱の補修工事」が大きくなると費用も高くなるのは当然のこと・・・なのでしっかりと治療することが大切なのです!

まとめ

 お口を支える柱に小さい虫歯が見つかったタイミングでしっかりと治療をしていれば治療回数は少なくインプラントになりませんし、逆に歯が無くなったタイミングでインプラントにしておけば、未来でさらにインプラントが必要になる本数を減らすことにつながります。
 
 最初は高いと感じる自費治療もそういった理由があってオススメしているのです!決して稼ぎたいなどはありません!保険治療では、きっちりと治療することができないので、オススメできないのです!

 以上が、「なぜ費用が高いのか?」でした。長文、駄文でしたが皆さんのお助けになれれば幸いです。
また、これからも定期的に更新をしていこうと思います。
次回、また読んでいただくことがあれば、その時もよろしくお願いします。



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