マイナス金利解除 そのあと為替は?

この時期によく言われる相場格言がある。
【彼岸底】だ。
2月の節分以降は株価は天井に向かい、お彼岸に近づくにつれて株価は底をつくという相場の経験則(アノマリー)を格言としたものだ。

今年はこれがあてはまらない。
今月19日、日本銀行が金融政策決定会合でマイナス金利を解除して政策金利を0〜0.1%に利上げした。また長期国債買い入れ継続を除き、その他大規模緩和措置を終了した。金融市場では安心感から株高・円安。日経平均株価は4万円台回復。ドル円は150円台を突破。
20日(日本時間21日未明)に🇺🇸FOMC(連邦公開市場委員会)が政策金利とドットチャート及び経済見通しを公表された。
注目なのはドットチャートだ。
ドットチャートは金利見通しを示したものだが、前回と比べて変更はなく中央値4.6%予想に据え置いた。今年3回の利下げを予想。これも変わらなかった。
米国経済はインフレと好景気が続いているため、市場では利下げが後ずれ観測が出ていたなかで【ハト派的】な内容だった。
これを受けて、米国の長期金利は低下して米国株の上昇を後押しした。

それから1週間が経った。
その後の値動きを確認していくと、為替が1ドル151円台後半と円安が進んだ。市場では日銀がマイナス金利解除になれば円高になるという予測が多く出ていた。先週の日銀金融政策決定会合の声明文で【緩和的な環境を続ける】との文言があり日米金利差の縮小につながらないとの見方が強まったのだ。

構造的要因もある。
貿易赤字やサービス赤字が続いていることや、新NISAでの外国株購入による対外直接投資の増加観測も円高になり得ない状況を作っている。

今後警戒しておきたいのは為替介入と米国経済統計の発表だ。

先日、財務省の神田財務官が【為替介入の準備がある】と発言した。本来は市場の動きに任せておくべきで為替介入で円安を止めるのは意味を為さない。無駄に外貨準備を減らすだけだ。
今週29日には🇺🇸2月個人消費支出物価指数が発表される予定だ。結果次第ではあるが、米国の物価が高止まりとなればFRBが今後利下げの時期を遅らせるのではないかとの懸念も出てくる。
であるならば、この円安相場を活かすための方策を各々が考えるべきではないだろうか。

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