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なんでもできるホン(キョウカイブルー)

我らが教会は超サイバー……。あらゆる情報は電脳空間に預けて、必要な時に、必要な場所で、必要な情報を取り出して活用している。たとえば聖書と讃美歌。教会員は、どこにいっても書籍の聖書と讃美歌を持ち歩かない。すべての情報は、手のひらサイズの「なんでもできるホン」からアクセスできるからだ。

礼拝で聖書を読む時には、事前に送信している式次第の聖書リンクをポチッとすれば、該当の聖書箇所へとひとっ飛び。讃美歌だって「なんでもできるホン」のディスプレイに映し出される歌詞と楽譜があれば、会衆は身体を自由に使って讃美することができる。重たい書籍から解放されたら、顔も上がるし、口も鼻も広がるし、いろんな人と目線が交わる機会が増える。

私も礼拝メッセージはノリノリで楽しんでいる。なぜならグラス式デバイスに原稿の文字が浮かび上がるので、メッセージを語るとき、会衆の顔を見つめながらグラスに浮かぶテキストを確認できるからだ。喜びのしらせも、共有したい話題も、言葉に表情が加えられている感じが伝わっていく。デジタルガジェットの機能を追求し、生活に密接に関わり始めると、身体やコミュニケーションへの意識が高まって、以前よりももっと人と世界とに関わることを楽しめるようになれる気がする……ってことを電脳牧師として理想にしている。

だからこそ、実は今、私が戦っているのは「タッチパネル・ディスプレイ」に翻弄され、支配されている状態の人である。カフェで仲間たちと会話していても、自分だけは携帯の画面にタッチ。電車の座席に座ってもすぐにタッチ、タッチ。歩道を歩きながらもタッチ。時々イヤフォンをして、マスクを着けて、サングラスを掛けて帽子まで被り携帯で遊んでいる人がいるけれども、どれだけ外の世界を遮断したいと願うのか、ここは外だぞ、と驚くことがある。

今、最年長キョウカイジャーとしてひとつだけ呼びかけたい。外の景色を見て、空気を感じ、生活の音に耳を澄ませよう。神の御業は、君の世界の周辺に充ちている。

【キョウカイブルー】青葉良好(あおば・りょうこう)革新的なテクノロジーには目がない電脳牧師。クールに見えて実はツンデレ。電子機器を駆使して仕事をどう能率良くできるか、いつも考えている。メンバー内では最年長。武器:最新型タブレット「なんでもできるホン」/必殺技:プチニンノーダー(整理整頓)/弱点:新型ガジェット

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