ドラクエ1の世界感

この作品が作られた時代は、技術的な面であらゆる制限があった。その制限下でこの偉大なるドラクエワールドの一作目は誕生した。日本人にとって中世ファンタジーのスタンダードそのものを作ったのは偉大すぎる。

とりあえず、何度かプレイした事あるけど、じっくり考えながらプレイしたのは初めてだった。そしてクリアーしたのも初めてだ。

これはとりあえず、洞窟がすごい。たいまつを使っても全体が見えないのが、本当に探検しているようだし、洞窟から出た時の安堵感もすごい。

まぁ何はともあれ、日本人の40代以下は中世ファンタジーといえばドラクエがトップに来るのは間違いないだろう。

ドラクエ1の世界は制限が多かった分、表現も説明も足りない。その部分を箇条書してみようと思う。

主人公が何者か?

ロトの末裔としてアレフガルドの唯一王であるラルス16世の謁見から物語は始まる。彼がどこから来たか、家族はどうしたのか、そのあたりは語られず、アレフガルドの命運をかけた、ローラ姫の救出と、竜王の討伐を命じられる。これはどのような組織であろうとありえない。よく言われる勇者は暗殺者説もあるが、単身で向かわせるのは狂っていると言ってもいい。

この世界では勇者ロトとは3の勇者の事を指している。ロトの話は11からなのだが、3の時点で勇者は英雄オルテガの息子に過ぎない。ここはまた3の考察で考えようと思う。

ラルス 16世は何を考えて、たった一人の青年に大役を任したのだろうか?

その考察の為には竜王が何者か考える必要があると思う。竜王は突然現れたのだろうか?それとも元々人間で、ドラゴンの力を得た人物なのだろうか?

まず冒頭でラルス16世は主人公に対して、

勇者ロトの血をひく者よ。そなたが来るのを待っておった。その昔、伝説の勇者ロトは神から光の玉を預かり、この世界をおおっていた魔物達を封じ込めたという。

しかし、いづことなく現れた、悪魔の化身、竜王が、その玉を闇に閉ざしてしまったのじゃ。

このままでは世界は闇にのまれてしまうことだろう。勇者「主人公」よ!竜王を倒しその手で光の玉を取り戻してくれ。

そう言われ、王座の周りを彷徨いている大臣らしか男に話かけると、ローラ姫を知っているか?と言われる。

ここで「はい」と答えるとローラ姫を助け出してやってくだされ。とお願いされる。

しかし「いいえ」と答えると、詳細を話してくれる。

王妃が亡くなっている事。王様にとってローラ姫は大切である事、そしてさらわれて半年も経っている事。

この状態で何もできないという事は、全てやり尽くしたのではないだろうかと、推測する。

竜王との総力戦の結果、大敗した。そして追い討ちでローラ姫を拐うことでラルス16世に降伏を促したのではないだろうか?

そこでラルス16世は大昔、ラルス1世の時代、伝説の勇者ロトが光の玉で世界を救った話を思い出した。そして、その末裔だと言っている青年にコンタクトを取ったのだ。

ラルス16世という事は世襲であると考える。アレフガルドを統治していたのが、ラルスの名を継ぐ者限定だとして、5年の者も60年の者もいるとして、仮に平均を20年だとしたら320年になる。それより少ないと考えても200年から多いと考えたら500年くらいもありある。事実など、余裕でねじ曲がる時間である。そしてその期間で、子孫が一人だけしかいないなんて事があるだろうか?そして身寄りもない。

ドラクエ1の世界でその可能性は唯一滅んでいる街、ドムドーラである。ドラクエ3の時代には活気のある街として存在し「ゆきのふ」の店の裏にはロトの鎧がある。ゆきのふはドラクエ3の武器屋の生まれたばかりの息子の名前である。ゆきのふは多分その後かなりの財を成し、街の有力者になったのだと思う。その後、ゆきのふという名は襲名制になった。だが、ドムドーラは滅び、メルギドにて最後のゆきのふは亡くなったのだろう。

この世界に知り合いのいない1の勇者はこの街の出身ということは間違いないだろう。

しかし、ドムドーラでは主人公はロトの末裔だという事にはなっていなかった。ドムドーラが攻められた際、勇者の鎧は隠されていたのである。

ここからは再度、3をプレイしてから改めて考えようと思う。



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